Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強中の社会人ブログ

【気象学勉強】第55回 日本の四季と気圧配置②〜夏〜

 

今回からは日本の季節による気圧配置について見ていくことにします。

今回は夏。

 

 

夏型の気圧配置

気圧配置とは,地球上の高気圧や低気圧の位置関係のことを指します。もちろん日々その配置は違ってきますが,季節によって典型的にみられる配置があることも知られています。

 

例えば夏の気圧配置を見てみるとこんな感じ。

まず特徴的なのが,太平洋からの高気圧(これが太平洋高気圧)が西に張り出して,日本付近を覆うような形となっています。北側には低気圧が位置することが多く,「南高北低の夏型の気圧配置」とも呼ばれるようです。

等圧線の間隔が広いのも夏の天気図の特徴。

そして太平洋高気圧は海上に形成されるため,太平洋から蒸発する水蒸気をたっぷりと含んでおり日本に蒸し暑い夏をもたらすのです。太平洋高気圧の縁に当たる場合や上空に寒気がある場合には(高気圧の中にいても)大気が不安定となることも多く,激しい雷雨や突風が吹くことがあるので気を付ける必要があります。

 

もう少し地球全体で俯瞰して見ると以下のような感じになるでしょうか。

太平洋高気圧はハドレー循環によってできる亜熱帯高圧帯の一部で,夏季には太平洋に広く張り出します。シベリア高気圧やオホーツク高気圧は消滅するっぽいです。

太平洋高気圧は背の高い高気圧なので,偏西風はこの高気圧の北側を吹くことになるかと思います。

 

太平洋高気圧と台風

夏から秋にかけて日本を襲う台風。この台風の進路が決まるのにも太平洋高気圧は大きな役割を果たします。

多くの台風は低緯度地帯で西へと進み,中緯度地域になると進路を大きく変えて東の海上へと抜けていきます。これは貿易風と偏西風の影響であることは以前にお話ししています。

weatherlearning.hatenablog.jp

 

そして台風は太平洋高気圧の縁に沿うように進むため,高気圧が大きく西に張り出した状態では西の方へとゆっくり移動します。

一方,太平洋高気圧の勢力が弱く東に後退した場合には,台風はそのままその縁に沿って移動し偏西風に乗って日本付近を通過していきます。(秋の台風 知っておきたい3つの特徴 - ウェザーニュース (weathernews.jp)

太平洋高気圧が台風によって勢力を削がれることもあるようですが,このように台風の進路に太平洋高気圧が重要な役割を担っているんですね。

 

【まとめ】学習の要点

今回学習したところで重要そうなところをメモしておきます。

自分的メモ!
  • 夏には太平洋高気圧が西に張り出し,日本列島付近を覆う。
  • 夏には等圧線の間隔も広くなる。
  • 北側には低気圧が位置することが多く,「南高北低の夏型の気圧配置」という典型的な夏の気圧配置が見られる。
  • 太平洋高気圧の縁に沿って台風は移動する。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。