2024年の10月もいつにも増して暑い1ヶ月だったように思います。10月19日には,東京都心で最高気温が30.1度を記録し,観測開始以来最も遅い真夏日となりました。福島県や静岡県などでも,真夏日の地点が相次いだようです。
そんな暑かった10月の空を切り取ってみました。
行合の空(ゆきあいのそら)
季節の変わり目,特に夏から秋に変わる時期は「行き合い」と呼ばれます。その頃の空を「行合の空」と呼び,古くは平安時代の和歌にも詠まれているんだそうで。
行合の空では,空高くに秋の空,空の低いところには夏の空が共演し,多種多様な雲が入り混じる空模様を呈します。
この日も,空高くには巻雲そして高積雲,空の低いところには積雲や層積雲などが観察されました。いよいよ夏も終わり,本格的な秋の季節へと入っていくのですね。
そういえば紫金山・アトラス彗星が地球に接近していましたが,結局10月14日に撮影したこの1枚しか撮影できませんでした。ここ最近,私の住んでいる街では,西の空は雲が続いていたのです。
この彗星が次回地球に近づくのは約8万年後らしいので,おそらく次回お目にかかるのは難しいでしょう。彗星よ,さようなら。
東京の10月の気温推移
冒頭でも述べた通り,今年の10月もいつも以上に暖かい秋で,おそらく観測史上最も暑い10月になるのは間違いないでしょう。
ここで,1950年から2024年までの75年間の東京における10月の1ヶ月平均気温をプロットしてみました。その結果,以下のような図を得ました。
2024年は10月26日までのデータですが,他の年と比較しても明らかに突出した気温の高値を示しています。
また,75年間という長い期間で見ると,気温の増加傾向が見て取れますね。
単純な線形の回帰分析をしてみると,青色の線が引けました。
75年間の気温の上昇傾向は明らかですし,おそらくヒートアイランド現象や地球温暖化などの影響が反映されたものだと考えられます。
地球温暖化などの気候変動に伴い,暑い夏が長期化し,春と秋が極端に短くなり,暖かい冬が来るだろうと懸念されていますが,まさに今年はそんな1年になるかもしれません。
参考図書・参考URL
下記のサイトから一部引用させていただきました。