2025年2月17日から強烈な寒波が日本に到来し,その数日前から「10年に一度程度の大雪の可能性」がニュースで報道されていました。
今回は,週間天気図をもとにして,この寒波の到来について勉強してみたいと思います。
週間予報図から見る寒波到来
下は,寒波が襲来する前の2025年2月14日に発表された週間予報支援図(略号:FXXN519)と呼ばれる約1週間先までの天気および気温の傾向を予想することができる天気図の一部を切り取ったものです。この図では,「T=96~192」と書かれており,発表日から4日後(2月18日)~8日後(2月22日)にかけての5日間の北半球の500hPa高度平均と平年偏差が表現されています。

図の網掛け部分は負偏差域であり,平年よりも値(ここでは高度)が低くなっている場所を表しています。青い色で色付けしましたが,日本付近は負偏差となっていることが分かりますね。500hPa高度が平年よりも低いということは,地上から500hPaまでの気温が平年よりも低いということであり,このことから(トラフの南下に伴って)日本付近では寒気が入りやすい状況になることが予想されていました。
また,3日後(2月17日)~8日後(2月22日)の6日間の上空850hPa(約1500m)の気温予想を見てみると,平地で雪の目安となるマイナス6℃の等温線が日本列島を覆うように,太平洋側へと張り出していました(下図でマイナス6℃以下を水色に着色)。

上空に強い寒気が入りこみ,普段は雪の少ない北~西日本の太平洋側で(降水があれば)平地でも雪が降る可能性があると考えることができますね。
週間予報支援図(アンサンブル)(略号:FZCX50)の850hPa気温偏差予想では,館野・福岡・那覇と,特に2月18日・19日にかけて気温が平年よりも6℃近くも低く予想されていました。

後半は各クラスター*1のばらつきが大きくなりはじめているものの,平年よりも気温が低い傾向が続くことに変わりはなく,寒気の流入が継続することが示唆されます。
2,3日後までの天気図だけでなく,もう少し先を予想する週間天気図や一か月予報図などを解析することによって,この先の天気の大きな傾向をとらえることができるのですね。
寒気の到来
天気予報の示した通り,2月17日の夜からは本格的に寒気が到来し,日本全国で寒くなりました。
結果的には,今シーズンで最長の寒波となり,メディアなどでは「居座り寒波」とも表現されていました。特に,新潟県や石川県などの日本海側で大雪となりました。
新潟県の湯沢のスキー場も,例年にないほど雪が降ったことで,安全確保のために営業を一時的に休止したそうです。雪が降らなければそれはそれで困り,大雪が降ってもそれも困るというのも,天気の取り扱いの難しさを教えてくれます。
下は2月22日の降水量を示したものですが,日本海側の平地から山沿いで多いことが見て取れます(Ventusky - Wind, Rain and Temperature Maps)。

また,近畿・山陰地方に指向するJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)も観察されました。

朝鮮半島の付け根にある山地を迂回した風が,日本海でぶつかって収束し,積乱雲が発達すると考えられています。JPCZは過去に何度も日本海側を中心に大雪をもたらしており,これらの地域では大雪に伴う災害に注意しないといけません。
太平洋側でもこの寒気の流入により気温がぐっと下がりました。2月の東京の気温のグラフの推移を見てみると,17日から24日にかけてぐっと気温が低くなっており,たしかに強い寒気がやってきたことが分かります。東京や大阪でも雪が少し舞ったそうです。

この寒波が過ぎ去ると一変して日本列島は暖かくなるようで,本格的な冬も終わりが近づき徐々に春へと移っていく予想となっています。
ただ,雪が積もったところは,雪融けによって雪崩などの災害が起こりやすくなるので注意しなければなりません。気象庁からの警報や注意報は下記のリンクから確認することができます。
【まとめ】学習の要点
- 週間天気図や一か月予報図などを解析することによって,この先の天気の大きな傾向をとらえることができる。
- (高度が)負偏差であると,日本付近では寒気が入りやすい状況になることが予想される。
- JPCZは過去に何度も日本海側を中心に大雪をもたらしており,これらの地域では大雪に伴う災害に注意する必要がある。
- 雪が積もったあとに暖気が入ると,雪融けによって雪崩などの災害が起こりやすくなるので注意する必要がある。
参考図書・参考URL
下記の書籍・文献およびwebサイトを参考にしました。