今月の個人的にピックアップした気象関連ニュースについてまとめてみました。
2025年2月の世界平均気温は観測史上3番目の暑さに
先月2025年2月の世界平均気温が「コペルニクス気候変動サービス」という気象情報機関によって発表されました。
この機関の公式サイトがいろいろな図が載っていて結構面白いので,ご興味あれば見てみてください。
その発表を要約すると以下のようになります。
- 2025年2月は観測史上3番目に暖かい2月だった。
- 1991年から2020年の2月の平均値より0.63°C高く,気温は13.36°Cだった。
- 1850年から1900年の産業革命前の2月の平均値よりも1.59°C高かった。
パリ協定では,産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を「1.5℃まで」に抑えるという目標が盛り込まれましたが,2025年2月は1.59℃高かったということで,2025年1月に引き続いて2ヶ月連続で1.5℃の壁を超えてしまったことになります。
1年間を通しても,2025年は暑い年になりそうだと予想されているようで,地球は沸騰化に向けて着実にその歩みを進めていることを感じさせます。
世界の海氷面積が史上最少に
こちらも地球温暖化に関連したニュース。
米国立雪氷データセンター(NSIDC)が発表したところによると,北極と南極の海氷の合計面積は過去最少となったそうです。
下の図(NSIDC, Arctic sea ice hits record low maximum extent for the year | National Snow and Ice Data Centerより引用)は先日2025年3月22日の北極の海氷の衛星画像ですが,1年の中の極大面積に達したと考えられているものの,その面積は(当時最小を記録した)2023年を下回って過去最少となりました。

図に引かれたオレンジ線が1981年から2010年までの30年間の海岸線の中央値ですが,北極の海氷が失われていることが読み取れます。
海氷は,太陽からの放射を宇宙空間に向けて反射して,地球を冷やす役割を担っていますが,海氷面積が小さくなることで温暖化が加速するという負のフィードバックループ(アイス-アルベドフィードバック)に陥ることが懸念されます。
実際,北極域や南極域では他の地域と比べて実に4倍もの速さで温暖化が進んでいるといいます。
国内で山林火災相次ぐ
国内に目を向けると,相次ぐ山林火災が大きなニュースとなっていました。
まずは先月2月26日に発生した岩手県大船渡市で起こった山林火災に始まります。2900ヘクタール(だいたい東京23区のうち1区分の面積)を焼き,死者1名,171件の住宅が全焼する結果となりました。
3月23日には,愛媛県今治市と岡山県岡山市でそれぞれ山林火災が発生。今治市は442ヘクタール(東京ドーム100個分)を焼き,近隣住民には避難指示が出されました。岡山市でも565ヘクタールを焼失し,県内記録上,最大規模の火災となったといいます。ただし,今なお火種は燻り続けている可能性があり,完全に鎮火したとは言い切れない状況ということで注意が必要です。
さらに国内だけでなく,お隣の韓国でも大規模な山火事が起こり,死者30名に達するほどの最悪の災害となっています。
このような日本や韓国で同時多発的に山林火災が起こった理由の一つとして,気候変動の影響があると考える研究者もいるようです。
1950年から1986年までの過去の期間と,直近の期間でデータを比較したところ,山林火災が起こった地域周辺の気候は,気温は最大2度上昇し,雨量は最大3割減少,風速は最大1割ほど強まっていることが分かったというのです。雨が降らずに乾燥気味で,風が強いため火が広がりやすくなっているということですね。
地球温暖化の影響で大規模火災が起こるリスクが高まるのであれば,今後も継続した山林火災が日本国内で起こることが予想され,我々はなお一層の注意を払って,火を取り扱う必要が出てくるかもしれません。
南岸低気圧接近で東京で雪
3月上旬には,南岸低気圧の影響によって東京では1週間に複数回の雪を観測しました。
下は3月4日21時の地上天気図ですが,東京の現在天気が雪になっていることが分かりますね(赤丸で囲った記号)。

また,関東平野周辺では気圧の尾根(紫色の線で表示)も見られ,関東地方では下層に寒気が流れ込んだことで,重く冷たい空気によって地上気圧が高くなっている様子も見て取れます。
その後,3月8日夜からも東京は雪となり,1週間の間に複数回の雪となりました。
気象予報士試験に合格
最後は個人的ニュース。年始に受験した第63回気象予報士試験に無事合格しました。
合格証明書を目にしたときはあまりピンときませんでしたが,少しずつ嬉しさのようなものは感じられるようになってきました。
合格してからは,机に座って気象の勉強をすることがほとんどなくなったのですが,来月からは,これまで書ききれていなかったり飛ばしたりした分野についての記事を少しずつ書いていこうと思っています。
出典