毎月恒例の,個人的に興味をもった気象関連ニュースをまとめてみました。
2025年3月の世界平均気温は観測史上2番目の暑さ
まずは地球温暖化問題。
今月8日,「コペルニクス気候変動サービス」から,2025年3月の1ヶ月間の世界平均気温について発表がありました。その内容は以下の通り。
昨年3月(史上最高気温)に続く観測史上2番目に位置する暖かい3月だったということですね。
下の図を見ても,2025年が高い値で推移していることが分かります(Surface air temperature for March 2025 | Copernicus)。
パリ協定では,産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を「1.5℃まで」に抑えるという目標が盛り込まれていますが,2025年3月も1.60℃高かったということで,2025年に入って3ヶ月連続で1.5℃の壁を超えてしまいました。
この分だと,今年も記録的な暑さが持続することが予測されます。温暖化の臨界点が近づく足音が聞こえてきそうです。
桜前線の通過
今年も桜が満開となり,そしてすぐに散ってしまいました。恒例の春の光景です。
関東や近畿,九州では,多くの地点で昨年よりも数日早い開花となったようで,概ね平年並みの開花であったそうです(さくら開花予想2025)。
余談ですが,現在桜の代名詞となっている「ソメイヨシノ」は,江戸時代に品種改良され,明治時代に現在の名前が冠され,終戦後に全国に広がったそうで,意外とその歴史は浅いことを最近知りました。
毎年春に美しく花を咲かせる桜を残してくれた先人たちに,ただただ感謝するばかりです。
奈良で落雷
こちらはなかなかショッキングなニュースでした。
4月10日,奈良市にある学校のグラウンドに雷が落ち,部活動をしていた生徒6名が病院に搬送されました。
当時は雷注意報が発令されていたようですが,雷鳴もなく,強い雨が降り始めた直後の1発目の雷が不運にもグラウンドに落ちたことで,フィールドにいた学生さんが被害に会われたとのことです。
後から振り返れば学校側を責めることもできるかもしれませんが,当時の状況を考えると,直前のタイミングで落雷を予測し,血気盛んな学生さんたちに部活動を中止させるのが難しかっただろうということも理解はできます。
雷による人的被害に会う確率は100万分の1以下であることを考慮しても,まさか自分が被害に遭遇するとは考えもつかなかったでしょう。
ただ,今回の出来事を通して,雷の怖さについて改めて真剣に考え直さなければならないと強く感じさせられたというのが,多くの方の共通した意見ではないでしょうか。
万全を期して,雷注意報が発令されている際には建物内に避難するなど,私たち自身が意識的な行動を心がけるのが重要ですね。
デジタルアメダスアプリの全国運用開始
4月25日,気象庁はスマートフォンなどで気象状況を確認できる「デジタルアメダスアプリ」の全国運用を開始しました。
これまで北海道を対象に試験運用がなされていたようですが,表示方法などいろいろと改良を重ね,ついに全国に拡大することとなったとのこと。
気象衛星ひまわりとレーダー観測を組み合わせることで,(点ではなく)面による詳細な情報が得られることが特徴だそうで,いろいろな場面での活用が期待されているようです。
早速私も,スマホにアプリをインストールしてみました。
画面は,(気象庁の資料を引用して)下のような感じです。
画面もそれなりに見やすいですし,直感的な操作で分かりやすい。使いやすさについていろいろ検討を重ねた努力の跡が見られます。
雷注意報や熱中症警戒アラートなどについても通知設定ができ,現在地で災害が起こるおそれがある場合には通知が届くようになっています。今後の改良の余地はあるとは思いながらも,ひとまずインストールしたアプリを継続使用していこうかなと。
お出かけのときには,このアプリが活躍するかもしれません。
出典
- Surface air temperature for March 2025 | Copernicus
- さくら開花予想2025
- 雷(カミナリ)対策 落雷から身を守る 注意点は? - NHK
- デジタルアメダスアプリの全国展開について | 気象庁
- 「デジタルアメダス」全国拡大 スマホで場所選択、降水量や気温の解析値を表示 気象庁 - 産経ニュース