Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強中の社会人ブログ

2025年6月の気象関連ニュース

 

早いもので,1年も半分が終わろうとしています。過ぎゆく日々はあまり変わり映えしないように感じながらも,今年の1月はまだ気象予報士試験の勉強をしていたことを思い返すと,今こうして気象予報士となっている自分は,確実に一歩ずつ前に進んできたのだと実感します。

 

さて,今回も今月起こった気象関連ニュースをまとめてみました。

 

 

2025年5月の世界平均気温は観測史上2番目の暑さ

まずは地球温暖化問題

6月12日,「コペルニクス気候変動サービス」から,2025年5月の1ヶ月間の世界平均気温について発表がありました。その内容は以下の通り(Surface air temperature for May 2025 | Copernicus)。

  • 1991-2020年5月の平均より0.53°C高く、世界平均気温は15.79°Cだった。
  • 5月は観測史上2番目に暖かく、2024年の5月よりも0.12°C低く、2020年の3番目に暖かい5月よりも0.06°C高かった。
  • 1850年から1900年の産業革命前の5月の平均値よりも1.40°C高かった。

 

2024年に次いで,2025年5月の世界平均気温は観測史上2番目に位置する暑い5月となりました。

パリ協定では,産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を「1.5℃まで」に抑えるという目標が盛り込まれていますが,2025年5月は1.40℃高かったということで,とりあえず基準値を下回ったものの,一時的なものだという見方が強いとのこと。

 

下の図は海面水温の推移を表したものですが,2025年(暗赤色)が高い値で推移していることが分かりますね。

2023年(黄色),2024年(オレンジ)と2025年が色のついた線として示されており,5月中旬まではほぼ観測史上2番目の高温をキープしていましたが,5月下旬になると2023年よりも下回って,少しばかり落ち着いた海面水温へと収束しているようにも見えます。

来月には,6月の世界平均気温が発表されるため,この傾向が続くのかは注目していきたいポイントではありますが,ここ数日のニュースでは,北半球での世界的な熱波が観測されており,今月も暑い1ヶ月になったことは容易に想像できます。

 

日本でも熱中症による死亡者数は年々増加傾向にあり,その背景には高齢化などの社会的要因も影響していると考えられますが,やはり近年の地球温暖化の影響は看過できない大きな要因の一つと言えるでしょう。

のどが渇く前にこまめに水分を補給する室内で適切に冷房や扇風機を利用するなど,熱中症対策に特に注意する必要がありそうです。

 

 

梅雨前線の消滅と西日本での早い梅雨明け

さて,6月10日の前後には,本州の各地で梅雨入りが発表されました。平年と比べるとやや遅い梅雨入りとなったところが多かったようです。

この1ヶ月間の地上天気図をアニメーション化してみると下のようになりました。

 6月3日ごろから,日本の南側で梅雨前線が伸び始めたものの,18日ごろには日本周辺の前線は消失し,高気圧に覆われました。

数日後には再び前線が復活。

しかしその数日後には,前線は高気圧によって東へと押しやられて,西日本では梅雨明けが発表されました。

 

今のところ,四国・中国・近畿地方は6月9日ごろに梅雨入りしたと見られ,27日ごろに梅雨明けしたと考えられていますので,3週間にも満たない短い梅雨となったということですね(気象庁|令和7年の梅雨入りと梅雨明け(速報値))。

現在は速報値であり,後日,確定値として正式に発表されますが,このままいけば九州北部や四国地方では観測史上最も短い梅雨になる予定です。

関東甲信地方でも間もなく梅雨明けが発表されると予想されているようですよ。

 

今年の梅雨がなぜ短かったのか,その理由が気になりますが,それについては以下のニュース記事に解説されていました(九州南部・九州北部・四国・中国・近畿 6月27日「梅雨明け発表」ほとんどが統計開始以来最も早い!なぜこんなに早い? | 文化放送)。

記事から引用すると,以下のような流れだったそうです。

①南アジアから東南アジアにかけて積乱雲の発生が多い

②そうなると海から熱を奪って上空で水蒸気や水に変わる時に熱を出して大気を温める

③上空の大気が温まるとアジア大陸の上のチベット高気圧を強める

④強まったチベット高気圧が日本付近に張り出し、中緯度を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)を北に偏らせる

⑤偏西風(北の涼しい空気と熱帯の温かな空気の間を流れる)が北に偏ると、その南側は暖かい空気に覆われやすい
 今年は偏西風が北の真夏のような場所を流れている

⑥梅雨前線の位置はこの偏西風に連動して南北に移動するので、通常より早く北にシフトした

⑦さらに、フイリピン近海でも積乱雲の活動が活発で、太平洋高気圧を強め、日本付近は太平洋高気圧に覆われやすくなる

文化放送 記事より引用)

 

チベット高気圧の日本への張り出しにより偏西風が北に押し上げられ,太平洋高気圧も強まったことで日本付近は高気圧下に入り,梅雨が短かったということですね。

 

 

トカラ列島近海で相次ぐ群発地震

6月21日ごろからは,トカラ列島近海で群発地震が起こり始めました。

下の図は,最近1週間(6月23日~29日)の震源マップですが,トカラ列島付近で明らかに地震が多発していることが分かります(震源データベースと震源マップ(リアルタイム版) | 地震関連情報)。小さいものも含めると500回を超えたのだとか。

トカラ列島付近では,南東側からのフィリピン海プレートが北西側のユーラシアプレートの下に沈み込んでおり,地震災害が起こりやすい環境になっているようです。この辺りは過去にも群発地震が発生しており,2021年にも同様の群発地震が発生して悪石島で最大震度5強を観測しました。

 

SNS上では,この群発地震が巨大地震の前兆になのではと一部で騒がれているようですが,専門家によると科学的根拠に乏しくその説は否定されています。また,南海トラフ巨大地震とは直接は関係ないとのことですが,トカラ列島周辺では今後強い震度が引き続いて起きる可能性があり,注意が必要とのこと。


地震の発生は現在の科学力を以てしても予測不可能であり,日頃から地震への備えをしておく重要性を我々に警告してくれています。

 

 

出典