この度,気象学のお勉強を開始しました。
まずはさらっと教科書を一読して大枠をとらえ,現在は2巡目に入っています。
2巡目からは各点について詳細に追っていかないと理解が不足すると思いましたので,手を動かしながらメモがてら学習した内容を共有しておきます。
太陽系惑星の分類
現在太陽系の惑星は,太陽から近い順に水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8天体とされています。
余談ですが,過去には惑星であった冥王星は2006年の天文学の国際会議で惑星の座から降ろされ,「準惑星」というカテゴリに分類されることになりました。
「すい・きん・ち・か・もく・どっ・てん・かい・めい」と覚えた昔の記憶ももはや過去のものになってしまったのは少し寂しい気持ちもしますね。
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さてここで,この太陽系惑星を何らかのカテゴリで分類することを考えます。
これにはいろいろな分類が考えられるでしょう。
例えば,地球を中心にみると,地球の内側を回る内惑星と外側を回る外惑星に分類できます。ほかにも,衛星を持つかどうかであったり,環をもつかどうかなどで太陽系惑星をさまざまな角度から分類できそうです。
しかし,気象学の教科書ではそういった分類では紹介されません。
惑星の地質や大気の構成によって分類します。
地球のようにおもに岩石からなる密度の大きい惑星のことを地球型惑星,おもに水素やヘリウムなどのガスからなる密度の小さい惑星を木星型惑星として区別します。
太陽から近い4つの惑星(水金地火)がいずれも地球型惑星,太陽から遠い4つの惑星(木土天海)はいずれも木星型惑星です。これはたまたまでしょうか?
そうではないようです。
太陽系ができはじめた頃,その周りには多くの塵(岩石)や氷やガスが広がっており原始地球大気も主に水素やヘリウムなどのガスで構成されていたと考えられています。
しかし強い太陽風の影響を受けたことで,軽い水素やヘリウムなどのガスは吹き飛ばされ,外側の惑星の方へと押しやられたようです。
その結果,太陽から近い惑星では岩石だけが残り,遠い惑星では吹き飛ばされてきたガスをも飲み込んで大きくなっていったのではないかと考えられているようです。
今の地球型惑星の大気は,火山噴火によって内部から水蒸気や二酸化炭素,窒素などが放出された結果出来上がったようですよ。
水星・金星・火星の大気組成
地球型惑星に分類される地球以外の惑星,すなわち水星・金星・火星の大気の組成について見てみましょう。
まずは水星ですが,こちらはほとんど大気がありません。
月よりも少し大きい程度の小さな惑星のため,十分な重力が働かずに大気をとどめておくことができなかったのです。
また太陽に近いため太陽風の影響も大きく大気がほとんどないとされています。
次に金星。
大きさは地球とほぼ同じで,地球と姉妹惑星と呼ばれています。
大気に恵まれた惑星でもあり,その主成分はおもに二酸化炭素()でおよそ96%を占めます。
気圧も非常に高く,地表付近で約92気圧もあり,平均温度も460℃ほどあり,非常に熱い星であるとも言えます*1。
この金星が熱い理由として,大気の厚さと温室効果が高い二酸化炭素が主成分であることが大きな要因です。
そして火星。
火星も二酸化炭素と窒素を主成分とする惑星で,二酸化炭素が95%と大きな割合を占めます。金星とほとんど割合的には同じ。
一方で,気圧は0.006気圧ほどしかなく,非常に大気が薄いのです。
そのため二酸化炭素の温室効果は十分な威力を発揮せず,平均気温も-55℃と寒い天体になっています。
太陽から遠いというのも平均気温が低い理由の一つです。
以上のように地球型惑星は,太陽からの近さや大気の厚さ,大気成分によってその気温や気圧が大きく影響を受けるんですね。
地球の大気組成
次にわれらが地球の大気の特徴について見ていきましょう。
地球の大気の主成分は窒素()が約78%,酸素()が約21%と,この2つの成分だけで99%を占めます。
残りの1%はアルゴン()が0.9%で,二酸化炭素はわずか0.04%にすぎません。
地球温暖化で二酸化炭素排出規制が叫ばれていますが,このわずかな割合しか占めない二酸化炭素の温室効果が地球の温度上昇に関わっているとは驚き。
逆に言うと,0.04%しかないからこそ,0.01%でも排出量が増加すればその影響も大きいと考えることもできますね。
では大気中の水蒸気の量は?
実は上記の大気成分の割合は水蒸気の含まれていない乾燥空気での割合です。
実際には水蒸気は,低いときにはほぼ0%から多いときは4%と場所と時間に大きな変動幅があるので除外しているんですね(水蒸気を含んだ大気は湿潤空気として区別される)。
それにしてもこのわずか数%の水蒸気が雲をつくって雨を降らせたり,風を起こしたりと大気の大循環に関わっているからさらに驚きです。
そして地球が他の地球型惑星と異なる大きな点は,この水が豊富に存在すること。
実は二酸化炭素はこの豊富な海洋の中に溶けて石灰岩として固定されています。
仮に海水中の二酸化炭素を大気へ放出すると,地球の大気圧は60気圧を超えるとも言われているそうです。
ここまでいろいろ調べてきましたが,調べるほどに驚きがありました。
この地球の奇跡的な自然のバランスを知ることが,気象学を学ぶ楽しさなのかもしれませんね。
【まとめ】学習の要点
ということで,今回学習したところで重要そうなところをメモしておきます。
こんなところでしょうかね。
さいごに
というワケで今回より気象学の勉強を始めていきます。
細かく調べていくといろいろ知らない発見があるのは勉強の醍醐味ですね。見識が広がるってやつです。
いつまで続くかわかりませんが,とりあえずコツコツと学んだことを発信していきたいと思います。
もちろん初学者なのでミスや間違いがあるかもしれませんが,お許しください。
参考図書・参考URL
- 『イラスト図解 よくわかる気象学』ナツメ社 p14-p23
- 『気象予報士かんたん合格テキスト』技術評論社 p20-23
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wikipedia『地球型惑星』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%9E%8B%E6%83%91%E6%98%9F
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ゴロナビ『乾燥大気の組成』https://uzuchannel.com/goro-navigation-pharmacy/2022/04/15/composition-of-dry-air-on-earth/
*1:水は液体として存在せず,わずかに水蒸気として存在する