専門知識
ここ数週間,全国的にとてつもなく暑い日々が続いていますが,関東地方ではその暑さが一時的に治まりました。オホーツク海高気圧が登場したのです。 オホーツク海高気圧による冷気の流入 オホーツク海高気圧の形成 オホーツク海高気圧の及ぼす影響 【まとめ…
2025年4月10日,奈良市にある学校のグラウンドに落雷があり,学生6名が重軽傷を負う事故が起こりました。当時は雷注意報が発令されてはいたようですが,雷鳴もなく,強い雨が降り始めた直後の1発目の雷が不運にもグラウンドに落ちたことで,近くにいた学生…
2025年2月17日から強烈な寒波が日本に到来し,その数日前から「10年に一度程度の大雪の可能性」がニュースで報道されていました。 今回は,週間天気図をもとにして,この寒波の到来について勉強してみたいと思います。 週間予報図から見る寒波到来 寒気の到…
下の写真は,2025年2月8日午前10時ごろの東日本周辺の気象衛星ひまわりの可視画像です(気象庁|統合地図ページより)。 秋田県沖に渦巻きが確認できますね。これはポーラーロウ(極低気圧)と呼ばれるものだそうですが,私がはじめてこのポーラーロウを勉強…
前回からの続きです。第62回予報士試験の専門知識を振り返ります。 なお,問題については,気象業務支援センターから公開されておりますので,そちらからご覧ください。 気象予報士試験 (jmbsc.or.jp) 第9問 前線 第10問 冬季の日本の気象現象 第11問 台風の…
今回は,今年の8月に実施されました第62回気象予報士試験の専門知識について振り返っておきます。ちなみに私はこの試験を受験して,合計11点(もしくは12点?)で合格していました。 今回の振り返りは,あくまで個人的にこうやって考えたら良いのではないか…
2024年も台風シーズンがやってきました。特に今年初めて日本に上陸した台風5号(MARIA)は東北地方を直撃しました。 今回の台風は東北地方から上陸したということで,見慣れない進路をとりましたが,1951年の統計開始以来で東北太平洋側から上陸した台風は,…
静岡に線状降水帯 天気図を眺める 線状降水帯の発生 参考図書・参考URL 静岡に線状降水帯 2024年6月28日,静岡県で線状降水帯が発生したという気象ニュースが流れました。そして,土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まったとして,気象庁は「顕…
2024年の梅雨入り 梅雨入りのメカニズム 梅雨入りの発表 遅い梅雨入り 参考図書・参考URL 2024年の梅雨入り 2024年6月21日に近畿・東海・関東甲信越地方で梅雨入りが発表されました。平年と比較すると2週間程度遅かったようです。 前線と低気圧の影響で東日…
未来の気象を予測するためには,大気の状態を地図上の格子点に対応させる必要があります。この格子点ごとに気温や気圧・風などの気象データを割り当てていく処理が解析の基本です。 前回は,観測値を格子点に割り当てることを学びましたが,数値予報では予報…
前回,数値予報について勉強しました。数値予報とはコンピューターが現在の気象要素を用いて未来の気象の状態を予測することでした。そしてコンピューターへの気象要素の入力には,地図を格子状に区切って気象データの代表値を割り当てる必要があるのです。…
大きな寒冷渦が日本海を進んでいて,大変話題となっていましたので今回はそちらについて学んでいきたいと思います。 2024年5月に発生した寒冷渦 寒冷渦の構造 参考図書・参考URL 2024年5月に発生した寒冷渦 以前,寒冷低気圧について勉強しました。 weathe…
今回は気象予報の数値計算の基礎になる「プリミティブ方程式(基礎方程式)」について勉強していきます。そしてこのプリミティブ方程式には6つの式があるのです。 式を見ていると非常に専門的で難解な数式が並んでいるので,今回はそれぞれの式の意味につい…
今回から「数値予報」について細かくみていこうと思います。数値予報というのは,コンピューターを用いて地球大気や海洋・陸地の状態の変化を数値シミュレーションによって予測することで,得られた結果は日々の天気予報へと活用されます。 アナログとデジタ…
ここ最近バタバタしており,ようやく少し落ち着いたので勉強を少しづつ再開していきます。気象の勉強への熱量が少し冷めつつあったので,リハビリがてら数値予報について書き記していくことにします。 だいぶ以前に勉強していた気象の予報の続きになります。…
今年も黄砂の季節がやってきました。今回は黄砂を深堀りしてみます。 黄砂とは何か 衛星画像の黄砂 天気図上の黄砂 参考図書・参考URL 黄砂とは何か 黄砂については以前勉強していますが,もう一度復習しておきます。 weatherlearning.hatenablog.jp 冬の大…
2024年になりましたが,元旦には能登半島で大きな地震が起こり多大な人的・物的被害が出ました(令和6年能登半島地震)。地震発生に伴って津波注意報,津波警報そして大津波警報が北陸の各地で発表*1されています。そこで,今回は地震・津波について勉強し…
2023年11月24日,にわかにX(旧Twitter)が気象関連で湧き立ちました。どうもJPCZとカルマン渦が天気図上に登場したようです。 #tenki チラッとTL遡上したらみんな済州島からのカルマン渦列に夢中だったから確認したら確かに渦いたけど,着目点そこじゃない.J…
前回に引き続いて,今回は第60回気象予報士試験専門知識の振り返りを行っていきます。 第9問 JPCZ(日本海寒帯気団収束帯) 第10問 台風 第11問 水蒸気画像 第12問 特別警報・警報・注意報 第13問 冬の気象災害 第14問 モデルの性能評価 第15問 北極振動 参…
前回に引き続いて,今回は第60回気象予報士試験専門知識の振り返りを行っていきます。 なお,問題および解答については,気象業務支援センターから過去5年分(10回分)が公開されておりますので,そちらから引用いたしました。 気象予報士試験 (jmbsc.or.jp…
前回の続きです。 今回は短期予報,中期予報,長期予報について見ていきます。 短期予報 中期予報 長期予報 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 短期予報 短期予報とは3時間を超え向こう48時間以内の予報のことをいいます。私たちが日々ニュースやラジ…
テレビで天気予報が流れると,今日の天気だったり,明日の天気だったり,週間天気などがあることを知ります。 しかしそれらの予報の種類にどういったものがあるのかはちゃんと知っている人は少ないと思います。気象の教科書を読んでいても,五月雨式に予報の…
今回は歴史を勉強します。天気予報ってどのくらいの歴史があるのでしょうか?少し気になったので調べてみました。 観天望気 天気予報の歴史 日本の天気予報 リチャードソンの夢 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 観天望気 現代の人々と同じように,古…
気象予報士試験を終えて一息ついていましたが,再び勉強を再開していきます。 今回からは天気予報についてです。天気予報はどのようなデータからどのようにして予想されるのでしょうか。 まずは天気予報のために取得されているデータから見ていくことにしま…
今回は寒冷低気圧について勉強していきます。あまり聞き慣れない言葉ですが,年間を通して日本周辺にも大きな影響を及ぼしているようですよ。 天気図の中の寒冷低気圧 寒冷低気圧のでき方 寒冷低気圧の構造 寒冷低気圧による影響 【まとめ】学習の要点 参考…
ここまで温帯低気圧を見てきましたが,今回は台風や低気圧に伴ってニュースでよく耳にする「波(波浪)」について勉強していくことにします。 波浪=風浪+うねり 波高(有義波高) 高波と高潮 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 波浪=風浪+うねり …
今回は温帯低気圧の発達について勉強していきます。実際に天気図を見ながら考え方を身に着けていければと思います。 天気図の中の温帯低気圧 温帯低気圧の発達とトラフ 温帯低気圧のライフサイクル 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 天気図の中の温帯…
今回は温帯低気圧について。ニュースなどでよく聞く「低気圧」という言葉は多くはこの温帯低気圧を指します。一方で赤道などの熱帯地方で発生する低気圧は熱帯低気圧と呼ばれます。 今回は温帯低気圧が熱帯低気圧とどういう点で異なるのかを踏まえて,その特…
ここまで大規模な大気の循環と,それによって生じる偏西風や高気圧,さらにそこから季節の天気について勉強してきました。 今回からは前線や温帯低気圧について学んでいきたいと思います。 前線と天気 前線とは何か 前線の構造 前線の種類 【まとめ】学習の…
前回に引き続き,台風についてです。今回は台風の大きさと強さについて。 台風の大きさ 台風の強さ 台風の強さの推定 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 下は2023年6月に日本を通過した台風2号の,5月30日時点での台風についての情報です。 台風の…