Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強初心者のブログ

2024年8月の空の観察

 

日本列島に非常に歩みの遅い迷走台風が上陸し,九州地方をはじめ多くの地域で大きな被害を出していますね。

2024年8月31日21時現在は,紀伊半島の南の海上に台風中心が位置しており,今後北の方へと進んで東海地方・近畿地方を通って日本海へと抜けていく予想ですが,これまで予報を裏切り続けてきた台風なだけに,今後の進路がどうなるのかははっきりとしないというのが正直なところでしょう。

 

この8月も猛烈な暑さが続き,体感では,「史上最も暑い夏」と言われた2023年を超える暑さだったように思います。

そんな中,先日,第62回気象予報士試験を受けてきました。1年ぶり2回目の受験でした。

怖いから自己採点はしないようにしてるんですが,手ごたえはすべての科目でビミョーですね。

一般知識は,点を確保しなければいけない気象法規で2問が怪しい(2択で迷った)のと,ほかに2~3問ほど自信がない問題がありました。

専門知識についても,一般知識よりはまだ出来たように思ったものの,試験が終わってもグッとくる手ごたえはなかったです。読み間違えや勘違いなどもいくつかやらかしていてもおかしくはないです。

気象予報士試験は重箱の隅をつつくような問題も多い印象も受けるので,解き終わっても出来ているのか出来ていないのか今一つ分からないのです。

実技試験は分量がやはり多かったですね。とりあえず実技1も実技2も時間ギリギリで最後まで完走したものの,なかなか厳しい結果かと。

とりあえず目先の問題を解くだけでいっぱいいっぱいで,全体の状況を把握できるほどの視点をもつことができませんでした。

試験が終わっても,結局どういった状況が問われている試験だったのかが頭の中で咀嚼できなかったので,これは経験不足と勉強不足と言わざるを得ません。

天気図から大きな気象の状況を判断し,75分という短時間で大量の作業をこなすには,いろんなパターンの過去問に当たって経験を積む必要がありそうです。

自分なりのルーティーンを決めておくのも必要だと感じました。問題用紙をビリビリ切り取るのか,クリップなどを使うのか,色鉛筆を使うのか,などなど。

私は何も用意していないのですが,そちらの方が時間的なロスが少ないのではないかという私なりの判断です。

結果はどうあれ,社会人も長くなると試験を受けるということがないので,久しぶりに試験会場に行くと日常では感じられない刺激が得られるのは楽しいですね。

 

8月も本日で終わりです。明日から9月。ちょうど学校も始まる時期ですね。

試験後のこの1週間は何の勉強もせずにゆっくり過ごしていました。

今はまだ気象の勉強を再開する気にはならないので,すこしばかり休暇をとったあと,少しずつ日々の気象を眺めていきたいと思っています。

 

【天気図】2024年8月の台風

 

2024年も台風シーズンがやってきました。特に今年初めて日本に上陸した台風5号(MARIA)は東北地方を直撃しました。

今回の台風は東北地方から上陸したということで,見慣れない進路をとりましたが,1951年の統計開始以来で北太平洋側から上陸した台風は,今回のもので3例目だったそうです(残り2つは,2016年台風10号と2021年台風8号)。なるほど道理で見慣れないわけですね。

 

 

台風の接近と上陸

まずはこの台風について上陸の数日前からアニメーションとして追ってみました。

台風は日本の東の海上を北上し,やがて東北地方の東の沖合に到達します。その後上陸し熱帯低気圧に変わって日本海を北上していったようです。特徴的なのが移動速度が遅いこと。

この台風について,地上天気図では英文情報として記載されていましたので,下に抜粋したものを載せておきます。

 

8月11日 日本時間21時(上陸約12時間前)

移動速度は「西にゆっくり(WEST SLOWLY)」と示されています。SLOWLYとは,速度が5ノット以下の場合に記述されるので,たしかに台風の移動速度は遅そうです。台風の移動速度は東京周辺で平均15ノットくらいだそうです。

また,中心気圧は980hPa,中心付近の最大風速は50ノット,最大瞬間風速は70ノットであることも読み取れますね。

 

8月12日 日本時間9時(上陸した直後)

移動速度は「北西に9ノット(NW 09KT)」ですね。

ややスピードを上げて北西に移動し,中心気圧は990hPaと気圧は若干浅まっているものの,中心付近の最大風速は50ノット,最大瞬間風速は70ノットと12時間前と同程度の風速を保っていました。

8月12日 日本時間21時(上陸約12時間後)

その12時間後には中心気圧は998hPaとなり,中心付近の最大風速は35ノット,最大瞬間風速も50ノットと勢力としては徐々に弱くなっていったのが分かります。

中心付近の最大風速が34ノット未満になると熱帯低気圧となるので,この後台風は熱帯低気圧に変わったようです。

 

台風のスピードが遅いということは,それだけ日本に居座る時間も長くなるということなので,被害も大きくなる可能性があるということを私たちは想定しなければいけません。

 

台風の進路

今回の台風が特徴的だったのは,そのスピードだけではなく進路です。冒頭でも述べた通り,統計開始以来3例目の東北太平洋側からの上陸台風だったということです。

ちなみに台風の進路は月別に見ると概ね下のようになっており,一般的には日本の西の方から接近して,7~8月に沖縄方面に多く8月から9月に本州に多く接近する傾向があります。平均的な年間の台風接近数で見ると,沖縄が最も多く,次に伊豆・小笠原諸島が多いようですよ。

台風の月別の主な経路

今回のように東の方角から日本に接近して,北西へと進んで日本列島に上陸するというのは非常に珍しいことだったようです。

では台風が,上記のような稀な進路をとった原因はどのような点にあったのでしょうか?私の気象のお勉強がてら少しばかり深掘りしてみることにします。

天気図を眺める

ここ最近非常に暑い日が続いてますね。地上だけではなく海面水温を見てみると(下図),海水温は西日本では30℃を超えています。これは海水浴というより,もはやぬるめの露天風呂ですね。

気象の教科書的には,熱帯低気圧は海面水温が26~27℃の海域で発生するといわれています。 また,海水温が30℃を超えると台風の発達も助長されるようです。十分な水蒸気を含むことで,大量の潜熱が放出され,それが台風のエネルギー源になるのでした。

weatherlearning.hatenablog.jp

東北地方付近を見てみても27~28℃くらいの海水温があるので,台風は北に進んでも勢力を維持することができたと考えられます。もちろん海水温だけで台風の勢力は維持されるわけではなく,風の鉛直シアーが小さかったりと他の様々な要因からも影響を受けるようですが。

 

それでは,今回の台風の進路について考えてみましょう。

まずは地上天気図。こちらは8月11日 日本時間9時のものです。

東北地方近海には明瞭な台風の渦がありますね。また,日本の南には「TD(Tropical Dipression)」と記載された熱帯低気圧も2つあるのが確認できます。海水温が高い南の海で順調に台風の卵が育っているのです。

 

そして日本の東には太平洋高気圧。移動速度は「ALMOST STNR(ほとんど停滞)」となっており,背の高い高気圧が東にドンと居座っていることが読み取れます。

そうなると,通常は東へと進むはずの台風の前に,高気圧が通せんぼしているわけですから,台風は迂回しなければいけません。このとき高気圧周辺では高気圧性の循環をもった時計回りの風が吹いているので,台風はそちらの迂回経路の指示通りに進路変更を余儀なくされるわけです。高気圧「裏から回れや」,台風「へい,親分」みたいな感じかと。

上は500hPaの実況の高層天気図ですが,太平洋高気圧が北の方に位置していたことで,高気圧を回る風が台風から見て南東側から吹き込む形になり,結果的に台風は北西進したと考えられます。

 

また,天気図を見ると台風周辺の等高度線の幅が広くなっていることから,気圧傾度が小さく,風も弱かったことが推察されます。

気圧傾度力が小さく風が弱かったことが,今回の台風の速度が遅かった理由の一つになっているのではないでしょうか。

 

また,通常の台風は偏西風に乗って日本付近でその速度を速める傾向がありますが,下の500hPaの渦度分布を見てみても,偏西風と台風との距離が少し離れていることが見て取れます。

赤線あたりに渦度0線があって強風軸(その高度における偏西風の速度の極大域)に対応しているはずですが,台風はその強風軸の南側に位置しており,偏西風にうまく乗れなかったことも速度が遅かった大きな原因だと考えられます。

台風の被害

台風5号については,徐々にその被害の全容がつかめてきたようです。東北地方の一部の地域では降水量が史上最大記録となり,浸水被害も広い地域で出たようです。

 

台風による大雨や強風・暴風に注意することは当然のことですが,台風の怖いところは遠く離れていたとしても被害が出る危険性があるという点です。

下のような記事が出ていました。

www.yomiuri.co.jp

茨城県の海水浴場(台風の接近に伴い当時遊泳禁止だった)で,遊泳していた2名の男性が波にさらわれたのです。台風中心から少しは距離があったとはいえ,沿岸部では高潮や高波に特に注意で,こういう時に遊泳するのは非常に危険です。

上の図のように,台風中心から500km程度離れていても波が高く注意が必要なのです。特に,台風域で発生したうねりは波長が長く減衰しにくいため,遠く離れた海域まで伝播しやすく警戒が必要になります(※うねり+風浪=波浪)。

weatherlearning.hatenablog.jp

同様に,台風中心から離れていたところでも強い風が山の斜面に吹き付けたりすると,空気の上昇により積乱雲が発達しやすく大雨は降りやすくなるので,離れているからと言って安心できないのです。

 

とりあえずここまで。まだまだ気象については勉強中で,考察も不十分かもしれませんが,日々の天気図を自分なりに深読みして日常の天気予測くらいはできるようになりたいと思っています。

今回と似たような記事を以前書いていましたのでご参考まで。

weatherlearning.hatenablog.jp

 

天気図理解のメモ
  • 北太平洋側から上陸する台風は珍しい。
  • 台風のスピードが遅いと被害も大きくなる危険性がある。
  • 一般的に台風は,日本の西の方から接近して,7~8月に沖縄方面に多く8~9月に本州に多く接近する。
  • 平均的な年間の台風接近数で見ると,沖縄が最も多く,次に伊豆・小笠原諸島が多い。
  • 太平洋高気圧の位置から周辺の風の流れを推定でき,台風の進路について考察できる。
  • 気圧傾度力から風の強さを考察できる。
  • 台風は偏西風に乗って日本付近でその速度を速める傾向がある。
  • 渦度0線から強風軸を推定し,台風との距離を測定することで台風の移動について考察できる。
  • 台風中心から離れていても,海上ではうねりなどの影響で波が高くなっており海難事故には注意する必要がある。
  • 台風中心から離れていても,強い風が山の斜面に吹き付けると空気の上昇により積乱雲が発達しやすい。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトを参考にさせていただきました。

2024年7月の空の観察

 

非常に暑い日が続いていますね。

今月も空の写真を何枚か撮影しておきました。夏の雲は見ていてワクワクしますね。

今日で7月も終わり。

明日からは8月となり,いよいよ気象予報士試験の受験のときとなります。

この一か月はさすがに勉強しないとです。

 

2024年6月の空の観察

 

6月になって,私の住んでいる地域も梅雨に入りました。

 

6月前半はそこそこ晴れた日が多かったように思います。

やっぱり青空は気持ちがいいですね。

梅雨入り以降はぐずついた天気になりました。ジメジメしていてなんとなく過ごしにくい日が続きますね。

とりあえず7月は,気象の勉強は少しずつでも進めていきたいと思っています。

 

【天気図】2024年6月の梅雨の線状降水帯

 

 

静岡に線状降水帯

2024年6月28日,静岡県線状降水帯が発生したという気象ニュースが流れました。そして,土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まったとして,気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」を発表したようです。

 

そのときの気象レーダーの画像です(雨雲レーダー(実況)(旧:雨雲の動き) - 日本気象協会 tenki.jpより)。

真っ赤になったレーダーエコーが静岡県に覆いかぶさってきていることが確認できますね。浜松市では6月の観測史上最大雨量となる1時間に59.5mmの非常に激しい雨が降ったそうです。

この雨に伴って東海道新幹線の運転が見合わせになりました。交通にも多くの影響が出たんですね。

 

下はその時の雲頂強調画像ですが,静岡付近に雲頂高度の高い積乱雲が通過していることが見て取れます。

今回は,このときの大気の状態について,私の勉強がてら天気図を振り返ってみることにしました。

 

天気図を眺める

まずは地上の実況天気図ASASから。2024年6月28日9時の天気図です。

日本列島には梅雨前線がかかっており,日本の東の海上には高気圧が確認できます。

 

今回,静岡県で大雨が降ったということですが,大雨が降るには発達した雲ができる必要があります。そして発達した対流雲ができるためには主に3つの条件が必要になります(積乱雲の発生条件 |雷のキホン| 雷の知識 | 雷(らい)ぶらり を引用)。

 ①暖かく湿った空気があること

 ②空気を持ち上げるきっかけがあること

 ③大気の状態が不安定であること

 

まず,「①暖かく湿った空気がある」という点ですが,今回の場合,海から大量に水分を供給された太平洋の高気圧を回る空気が南西の方角から流れ込んできたことがそれに当たります。

前日に発表された850hPaの相当温位図(予想図)を見てみると,342Kの高相当温位の空気(赤線)が九州南部や紀伊半島,東海地方付近に40ノット程度の風速で帯状に流れ込むと予想されていました。

このように,暖かく湿った空気が静岡県付近に流れ込んでいただろうことが天気図からも示唆されます。

 

ただし,下層に大量の暖かく湿った空気があるだけでは積乱雲が発達するとは限りません。それが「②空気を持ち上げるきっかけがある」という点につながるワケですが,大雨となるには,大量の水分を含んだ空気が持ち上げられて冷やされて凝結する必要があります。空気を持ち上げる力としては,下層の空気の収束や,山などの地形によるもの,前線によるものなどがあります。

梅雨前線では,南からの暖湿気が前線へと流れ込むことで空気が収束し,前線南側で上昇流が発生するというのが典型的なパターンらしいです。

 

ここで,6月28日9時の700hPa鉛直P速度(網掛け・白抜きで表現)と地上の停滞前線を重ね合わせてみると,たしかに前線の南側で上昇流域(網掛け部分)が広がっていました。

静岡県付近の上昇流に着目してみると,-85hPa/hという鉛直P速度の値が確認できます。

 

さらに,空気を持ち上げようとする力が働いていたとしても,その空気が自由に上昇できる高度(自由対流高度)まで持ち上げられなければ,やはり対流雲は発達できないのです。空気が浮力をもって上昇できる状態のことを「大気の状態が不安定」であるといい,逆に自力で上昇できない状態は「大気の状態は安定している」と言えます。

発達した対流雲ができるためには,「③大気の状態が不安定であること(すなわち空気が浮力をもって自由に上昇できること)」が一つの条件になるのですが,特に下層に暖湿な空気が流入すると,自由対流高度は下がるため,雲頂高度の高い積乱雲が形成されやすくなるのです。

weatherlearning.hatenablog.jp

今回は暖かく湿った空気が流れ込んだことで,少しの上昇気流の力で自由対流高度に到達でき,雲が高い高度まで発達したと考えられます。

 

線状降水帯の発生

ここまでは対流雲が発達した要因について見てきました。今回はそれに加えて線状降水帯が現れています。

 

この線状降水帯というのは,「次々と発生する発達した積乱雲が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される,長さ50~300km程度,幅20~50km程度の線状に伸びる強い降水域」とされています。

つまり,発達した積乱雲が線状に連なることで,同じ場所で激しい雨が降ることが特徴のようです。

 

そのメカニズムは下の通り(通常の雷雨と線状降水帯、どうちがう?(古川 武彦、大木 勇人) | ブルーバックス | 講談社(2/4) (gendai.media)より引用)。ただし,線状降水帯の中でもバックビルディング型の構造について示しています。

左側(線状降水帯の背面)で発生した積乱雲が,中層の風の影響を受けて右側へ移動し,発達した積乱雲から吹き出す下降気流がガストフロントを形成して,下層の暖かい大気と衝突。すると地上で空気は収束し,上昇気流に伴って左側に新たな積乱雲が生じることになるという仕組み。

weatherlearning.hatenablog.jp

 

線状降水帯ができやすい場所としては,海洋上を吹走してきた暖湿気が流入しやすい西日本の海に面した都道府県で発生が多いことがわかっています(下図,「平成30年7月豪雨」の気象解析(速報) ~線状降水帯の発生数は68回~ | JWAニュース | 日本気象協会より引用)。

特に九州は,東シナ海やフィリピンからの暖かく湿った空気が流入するため線状降水帯が発生しやすいといいます。下の図では,四国も発生が多いですね。

また,下層の風向と上層の風向が一致すればさらに発生しやすくなります

この日の静岡市ウィンドプロファイラを見てみると,(特に12時前後で)概ね下層と上層の風向が一致しているのが分かります。

 

気を付けなければいけない点としては,この線状降水帯は発生を予測することはなかなか難しいようで(4回に1回の確率で当てられる程度),いつ発生しても避難ができるように日頃からの私たちの準備や心構えが重要になってくるのです。

www3.nhk.or.jp

 

天気図理解のメモ
  • 「顕著な大雨に関する情報」は,大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中で,線状の降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている状況を「線状降水帯」というキーワードを使って解説する情報のこと。
  • 発達した積乱雲ができるためには主に3つの条件が必要。

     ①暖かく湿った空気があること

     ②大気の状態が不安定であること

     ③空気を持ち上げるきっかけがあること

  • 線状降水帯とは,次々と発生する発達した積乱雲が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される,長さ50~300km程度,幅20~50km程度の線状に伸びる強い降水域のこと。
  • 線状降水帯は西日本の海に面した都道府県での発生が多い。
  • 下層の風向と上層の風向が一致すればさらに発生しやすくなる。
  • 線状降水帯の発生を予測することは難しい。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。

気象の勉強の進捗について@2024年6月

 

 

勉強の進捗(一般・専門)

上半期の期末となる6月は怒涛の忙しさでした。とりあえず上半期の進捗や成果を報告し終えて,現在はほっと一息ついているところです。ここからは少しばかり心と時間に余裕も生まれるので,気象の勉強を再開していきたいと思っています。

 

で,進捗といったこともあまりないのですが,とりあえず現在は自分の弱点について洗い出しを行っている状況です。

これは1年前くらいから自分でも薄々気づいていたことなんですが,特に注意報や警報といった気象情報関連がホントに記憶できないんですよね。覚えてもスグに頭のなかから消えてしまって,内容が私の脳内で咀嚼できていないのです。

 

その理由を深堀りしてみると,おそらく3つの原因があるのかなと。

1つはそもそも気象情報がいろいろありすぎて覚えづらいこと。これは世の中でも言われていることですし,私としても感じていることなんですが,大雨警報(土砂災害)とか土砂災害警戒情報とか,警戒レベル5とか緊急安全確保とか,いろんな専門用語の意味を区別して理解することが難しいのです。

www.at-s.com

 

2つ目は,気象情報の見直しが頻繁に行われていること。最近ではキキクルに警戒レベル5相当の「災害切迫」なるものが登場しました。

www.youtube.com

良くも悪くも情報が更新されるので,心の奥底で「細かいところ覚えてもなぁ,また更新されるかもしれないし」みたいなことを考え,どうも覚える姿勢としていまひとつ前のめりにならないのです。まぁ甘えと言えばそれまでですが。

下の動画のように,よりシンプルな表現へと変えていくという気象庁の意見には激しく同意しますが,その案として「危険警報」なるものを検討していたりするというのですから,これ以上よく分からない情報が出て来ようものなら,私はきっと勉強を止めてしまうでしょう(笑)。

www.youtube.com

 

3つ目は,2つ目とも関連するのですが,気象情報の見直しに対して参考書が追いついていないこと。参考書には改定される前の情報が記載されていたりするので,ある時点では正解だった答えが,現在では間違いになっており,問題を解いても「不正解」となることが何度かありました。それが非常に私の中で混乱を生む結果になっているんですね。

 

昨年は結局混乱したまま予報士試験を受験したので,今回は早めに対策を実施したいところです。

 

勉強の進捗(実技)

この1年間は一般知識や専門知識というよりかは,実技試験に重きを置いて勉強を進めてきました。

 

1年前にはどのように天気予報へと利用されるのか分からなかった,トラフの解析や,鉛直P速度,渦度の見方,エマグラムの読み取りなどについて勉強を進め,ようやくそれぞれの重要性を少しばかりは理解することができました。

そういう意味では,この1年間であまり勉強が進んでないと感じているものの,少しづつ進歩はしているのかもしれません。

 

そしてYouTube動画の「拝啓,予報官X様」を見たんですが,これが非常に勉強になりました。全139回の動画を全部観させてもらいました(全部1.5倍速でw)。

www.youtube.com

これらの動画を見て,いかに自分が表面しかなぞってなかったのかが思い知らされましたね。

「上空に寒気が流入」とか「地上との気温差が何℃」とかそういった言葉で大気の不安定が語られがちですが,重要なのは,空気塊が自由対流高度に達することができ,その高度に達した空気塊はどの高度まで発達することができるのかをきちんと理解した上でそういう言葉を使わないといけないのですね。そのために下層の暖湿気の流入や上空の寒気,風向や鉛直シアーなどに着目して,立体的に複合的に気象状態を考察していく。

よくよく考えてみたら当たり前のことなのかもしれませんが,如何せん実技試験の解き方についてしっかりと指南してくれるような参考書が少ないので,こういったプロの思考回路を理解できる動画は非常に貴重だと感じます。

 

実技試験についての私の個人的課題と言えば時間が足りないこと。気象勉強については,どちらかというと趣味として楽しんでいたいという個人的考えがあるので,「勉強」感をあまり出したくなく,気が乗ったときに時間配分とかも気にせずに解いているんですが,まぁ実際に75分の試験となるとなかなか時間は足りないですね。

あとは問題の背後にあるストーリーみたいなものをもう少し理解できたらというのはあります。とりあえず1つ1つの問題に対する解答は出るのですが,全体を通して何を問われているかと振り返ると「はて?」と困ってしまうのです。

そして2巡目に解いたときに,1回目に解いたことを全く覚えていないという結果に。天気図というのは将棋の棋譜を眺めているのと似ていて,しばらく経つとどんな状況にあったものなのかを再び問題を解き返さない限りは思い出せなくなるのです。

 

第62回気象予報士試験の申し込み

さて,第62回の気象予報士試験の申し込みが受付中(7月5日消印有効)です。

www.jmbsc.or.jp

 

今回は1年ぶりに受験してみることにしました。自信は特にないですが,やれるだけやってみましょう。

引き続きの課題は,仕事と勉強の両立をうまくコントロールすることです。

 

【天気図】2024年の遅い梅雨入り

 

 

2024年の梅雨入り

2024年6月21日に近畿・東海・関東甲信越地方で梅雨入りが発表されました。平年と比較すると2週間程度遅かったようです。

前線と低気圧の影響で東日本などで雨が降っていて、気象庁は「近畿と東海、関東甲信が梅雨入りしたとみられる」と発表しました。(中略)近畿と東海の梅雨入りは去年より23日、平年より15日、関東甲信の梅雨入りは去年より13日、平年より14日いずれも遅く、関東甲信は過去3番目の遅さとなりました。

 2024/06/21 NHKニュース

 

その一方で,すでに梅雨入りしていた沖縄地方では,早くも6月20日に梅雨明けが発表されました。沖縄では一足早く本格的な夏が到来したということですね。

沖縄地方は高気圧に覆われておおむね晴れています。この先1週間も晴れる日が多くなる見込みで、沖縄気象台20日午前11時に全国で最も早く「沖縄地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。(中略)沖縄地方の梅雨明けは去年に比べて5日、平年に比べて1日早くなっています。

2024/06/20 NHKニュース

 

下の表は気象庁が発表している今年の各地方における梅雨入りの発表日ですが,全国的にも遅かったことが分かりますね。どの地方を見ても「遅い」という文字が並んでいます。

 

でもどうして今年の梅雨入りは遅かったのでしょうか。

私の勉強も兼ねて,梅雨について深掘りしていくことにしました。

 

梅雨入りのメカニズム

ドキュメンタリー番組などを見ていると,アフリカサバンナの雨季と乾季を乗り越える野生動物の映像が流れてくることがあります。過酷な世界だなぁとついつい見入ってしまうんですが,実は日本にも雨季というのが存在していて,極東アジアの雨季に相当するのが梅雨になります。

 

この梅雨を引き起こす役者はたくさんいるようで,特に梅雨入りに大きな役割を果たしているのが太平洋にできる太平洋高気圧,中国大陸からの高温で乾燥した空気です。

 

6,7月ごろになると,南アジアでは(日射によって海よりも陸の方が温かくなり,陸側で上昇気流が発生して,それを埋めるように)海洋から大陸に向かう風が吹きます。これをアジアモンスーンと呼び,南の海から吹く風ということで,高温で多湿な性質を帯びています。

同時に,日本の南から東には太平洋高気圧が発達し,その高気圧の縁辺を回る南からの湿った空気が流入してきます。

すなわち,日本の南側ではアジアモンスーンと太平洋高気圧の縁辺流による暖湿な空気が入ってくるのですね。

 

このとき,上空の偏西風亜熱帯ジェット)は,北半球が暖まるにつれて徐々に北側にずれて,日本のはるか西でヒマラヤ山脈にぶつかり,その流れは山脈の北側を迂回するルートと南側を迂回するルートに分岐します(下図)。

分岐した北側の亜熱帯ジェットは大きく押し上げられ(チベット高原も邪魔をするのに一役買う),それを解消するために大陸の東側で再び元の緯度に戻ろうとします。その結果,偏西風は蛇行することになり,偏西風の形成するトラフ(気圧の谷)の後面では下降気流が生まれ,中国大陸には(日射に加えて)断熱昇温により暖かく乾いた空気が居座ることになるのです。 

 

そして,中国大陸や台湾,沖縄地方では,主に南側のアジアモンスーンの暖かく湿った空気と,北側の暖かく乾いた空気がぶつかることで前線が形成されます。これが梅雨前線です。上の図を見ても分かるように,梅雨前線は南側を迂回する亜熱帯ジェットに沿って発生します。

一方,日本の本州付近では,アジアモンスーンの代わりに太平洋高気圧を回る縁辺流が支配的となり,大陸からの暖かく乾いた空気とぶつかることで前線が形成されます。

すなわち,梅雨前線を挟んで(特に西日本では),北の暖かく乾いた空気と,南の暖かく湿った空気がぶつかることになり,南北の温度傾度は小さい一方で,南北の湿度の傾度は大きくなるという特徴をもつのです(梅雨末期の方が顕著のようです)。

日本付近で見られる低気圧に伴う一般的な前線は,冷たい空気と暖かい空気がぶつかることで形成されますので,梅雨前線はこの点で他の前線とは異なる性質を有していることに注意する必要があります。

weatherlearning.hatenablog.jp

 

南北の空気は拮抗し合い前線は日本周辺に居座りつづけるため,しばらくは天気が悪い日が続きますが,やがて太平洋高気圧の勢力が強まると,徐々に前線は北側へと押しやられてついに梅雨明けとなるのです。

ちなみに北海道には梅雨自体がないので,梅雨前線は沖縄・奄美地方から徐々に北上していき(実際には南北振動を繰り返しながら北へと移動する),東北地方に達するとやがてそこで消滅してしまう運命を辿ります。

weatherlearning.hatenablog.jp

 

梅雨入りの発表

次に,どのようにして梅雨入りは発表されるのでしょうか。

梅雨入りを発表するのは気象庁です。気象庁がどのような基準で梅雨入りを発表するのかというと,その基準は意外と曖昧なようです。

関東甲信地方は6月21日ごろに梅雨入りしたとみられます」。21日に気象庁から発表された梅雨入りを告げる一文だ。ただ、文言をよく見ると、「ごろ」「みられます」など自信がなさそうな言葉が並んでいる。(中略)季節が移ろうように、徐々に現れる梅雨を「この日から」と決めるのは難しいケースが多いのだという。

朝日新聞デジタル


虹の7色の境界がどこにあるのかを正確に把握できないように,連続的に変化する季節の境界を一本の線で分けるというのはやはり至難の作業のようです。

実際,その日までの天気の経過や1~2週間先の見通しをもとにして,梅雨入りの「速報値」を発表しているようで,9月になって梅雨の状況を振り返って改めて「確定値」を出すという形をとっているのが実情とのこと。

 

遅い梅雨入り

では最後に,2024年はどうして梅雨入りが全国的にも遅くなったのでしょうか? 

それは太平洋高気圧の北への張り出しが弱かったかららしいです。

実際に天気図で確認してみましょう。

 

まず,梅雨前線は概ね亜熱帯ジェット気流に対応し,太平洋高気圧の北縁に位置することが知られています。高層天気図では500hPa面の等高度線(5820~5880m)や亜熱帯ジェット気流の分布からおおまかな前線の位置を把握できます。

今回は,500hPaの5820mと5880mの高度に着目して実況天気図を見てみました。

 

下は今月の500hPaの高層の実況天気図です。オレンジ線は5820mの等高度線,赤線は5880mの等高度線として色付けしてみました。

5880mが概ね太平洋高気圧に対応する高度線ですので,高気圧は西側には張り出していることが分かります。

一方,6月16日になっても太平洋高気圧の北縁付近は日本のやや南に位置しており,北側への張り出しは弱いようにも見えますね。

 

なぜ太平洋高気圧の北側への張り出しが弱いかという理由に対しては,このような記事がありました。

インド洋熱帯域の海面水温が高く積乱雲が多く発生し、それらがフィリピン付近で低気圧となり、太平洋高気圧が西へ張り出す形に。例年のように梅雨前線が北に向かわずとどまり、こうしたことから遅れが生じているという。

産経新聞

 

また,日本付近での偏西風の蛇行も大きいため,梅雨前線がなかなか北上できなかったという理由もあるようです。

 

このように,梅雨のメカニズムはすごく複雑で不明なことも多いようなんですが,毎年のように雨季が来ると思うと地球規模のロマンを感じないわけにはいかないのです。

 

 

天気図理解のメモ
  • 極東アジアの雨季に相当するのが梅雨。
  • 梅雨入りに大きな役割を果たしているのが太平洋にできる太平洋高気圧,中国大陸からの高温で乾燥した空気。
  • 梅雨前線を挟んで,南北の温度傾度は小さい一方で,南北の湿度の傾度は大きくなるという特徴がある。
  • 梅雨前線は概ね亜熱帯ジェット気流に対応し,太平洋高気圧の北縁に位置する
  • 高層天気図の500hPa面の等高度線5880mが概ね太平洋高気圧に対応し,その高度線からおおまかな梅雨前線の位置を把握できる。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。

2024年5月の空の観察

 

恒例の1ヶ月の間に撮影した空の様子について。

 

今月も何枚か空を撮りました。

この日の空は面白い。上層には巻雲と高層雲でしょうか,下層には積雲が見えますね。

 

個人的に一番好きな雲は積乱雲(入道雲)ですが,その次は巻雲ですかね。箒で掃いたような雲と空のなめらかなグラデーションが美しいのです。

 

乱層雲が広がった日。たまには雨の日も落ち着いて好きなのです。

ただ,そろそろ梅雨の季節ですので,毎日のように雨が続くのは勘弁ですね。

 

色んな雲が入り混じった空。

 

雲一つない快晴の日も。

この5月も暑い日々が続きました。

気象庁からは6月の1か月予報が出ましたね。

気象庁|季節予報

6月前半は平年よりも気温が低くなるところが多いようです。

体調管理には気をつけなければいけませんね。

 

【天気図】2024年5月の寒冷渦の形成とその構造

 

大きな寒冷渦日本海を進んでいて,大変話題となっていましたので今回はそちらについて学んでいきたいと思います。

 

 

2024年5月に発生した寒冷渦

以前,寒冷低気圧について勉強しました。

weatherlearning.hatenablog.jp

私はこれまで寒冷低気圧と寒冷渦についてあまり区別せずに勉強していたのですが,これらは本質的には同じものであり,天気図上で高度場と寒気に着目するときは「寒冷低気圧」衛星画像を用いて低気圧性循環の渦として捉えるときは「寒冷渦と呼ばれ区別されるようです(閉じた等高度線に着目する場合には「切離低気圧」とも呼ばれるようです)。何に着目するかによって呼び名が変わるのですね。油を取るという視点から名づけられた「アブラナ」という植物が,花を視点としたときに「菜の花」と名前が変わるように。

 

さて,2024年5月16日には日本海に台風と見間違うほどの渦巻きが現れました。寒冷渦です(衛星画像として判断したためここでは「寒冷渦」を使用しました)。

少し不謹慎な表現かもしれませんが,渦巻銀河を彷彿とさせる地球上の小宇宙が非常に美しい。

しかし,寒冷渦の直下では大気の状態が不安定となり,積乱雲が発達して強い降水や突風,落雷などに注意が必要なので,その形の美しさに見惚れているわけにもいかないのです。

 

今回現れた寒冷渦の時間的な経過を,赤外画像を用いたアニメーションにしてみました。

日本海上を渦巻きが反時計回りに回転しながら北東の方角へと進んでいるのが観測されます。

 

そしてこの寒冷渦は,上空のトラフが深まることによって,偏西風の流れから切り離されることで形成されます。上空約5500m(500hPa)の時間的変化を追ってみました(Ventusky - Wind, Rain and Temperature Maps)。

偏西風が低緯度側に深く張り出しながら蛇行しているのが分かります。やがて,急カーブを曲がりきれなかった車がその場でスピンしてしまうように,蛇行の中心には渦が形成されていきます。このように偏西風の大きな流れから切り離された低気圧が寒冷渦なのです。

 

500hPaの高層天気図(気象庁|数値予報天気図,AUPQ35)ではこの寒冷低気圧は下のような感じになっていました(ここでは天気図から判断したため「寒冷低気圧」という言葉を使用しました)。上のアニメーションのいくつかの時点をスナップショットとして切り取った形になっており,整合性が取れて見ていて楽しいですね。

 

寒冷渦の構造

では,この寒冷渦の構造をみてみることにします。

寒冷渦は,中心部に寒気が存在し,そのため対流圏界面が周囲と比較して大きく垂れ下がり,一方で対流圏界面より上層の成層圏下部では周囲よりも暖かいという特徴的な構造を有しています(下図)。

 

今回の寒冷渦はどうでしょうか。

鉛直断面図を鉛直断面図 - Weather Modelsというサイトを使って解析してみました。

 

下のように,寒冷渦日本海上に位置していた日本時間2024年5月16日の18時ごろのオレンジの矢印方向に刃先を入れて,その断面について見てみました。

 

断面は以下のようでした。

すると確かに,対流圏では等温線が地上側へと下がっており,成層圏(平均して地上11kmより上空が成層圏と言われる)ではさらにその上空側へと等温線が膨らんでいる寒冷渦の構造が確認できました。

教科書的に言われていることが実際に解析できるとなんだか嬉しいですね。百聞は一見に如かずと言いますが,実際に手を動かしてみることで気象の理解も深まっていきます。

 

さらに,気温の平年差で上の図を色付けし直してみると,寒冷渦の温度分布が際立ちます。

対流圏では平年よりも冷たい空気があり青く色づきます。これが寒冷渦寒気核を表すのですね。

一方でその上には赤く染まった平年よりも暖かい空気が存在しています。そして青と赤の境界線が対流圏界面に概ね相当すると考えられ,渦中心では圏界面がたしかに大きく垂れさがっているのがちゃんと確認できました。

上記のように,寒冷渦の構造をようやくきちんととらえることができて,私は非常に満足したのでした(*^^)v。

 

 

そして,今回の寒冷渦では台風並みの暴風となったところもあり,各地で被害が出たようです。なんでも布団がフっとんだらしいのです。

www.youtube.com

あまり聞き慣れない「寒冷渦」という気象現象ですが,大きな被害を及ぼすことも知られており気を付けなければいけないのですね。

寒冷低気圧は地上天気図では明瞭には現れないことも多いため大したことがないと看過されがちですが,実際には大気が不安定になりやすく,特に寒冷低気圧の東から南東側にかけて積乱雲が発達して激しい雷雨を伴うこともあるので注意が必要です。

 

 

天気図理解のメモ
  • 天気図上で高度場と寒気に着目するときは「寒冷低気圧」衛星画像を用いて低気圧性循環の渦として捉えるときは「寒冷渦」と見方によって区別される。
  • 寒冷渦は,上空のトラフが深まることによって,偏西風の流れから切り離されることで形成される。
  • 寒冷渦は,中心部に寒気が存在し,そのため対流圏界面が周囲と比較して大きく垂れ下がり,一方で対流圏界面より上層の成層圏下部では周囲よりも暖かいという特徴的な構造を有する。
  • 寒冷低気圧は地上天気図では明瞭には現れないことも多い。
  • 寒冷低気圧の東から南東側にかけて積乱雲が発達して激しい雷雨を伴うこともあるため注意が必要である。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。

 

 

 

2024年4月の空と自然観察

 

さて,今年もゴールデンウィークに突入しました。

今回は,この一か月の自然観察の写真を掲載しておきます。

 

4月といえば桜の季節ですね。私が住んでいるところでも美しくソメイヨシノが咲き乱れました。

 

テントウムシカラスノエンドウのツタを這っていました。いかにも春ですね。

 

そして珍しい形の雲にも出会いました。

雲の底が丸っこくてボコボコとした雲でした。

下は別角度から。

雲底が丸っこくてボコボコとした雲のことを乳房雲と呼ぶようですが,この日のこの雲はこの乳房雲だったのでしょうか。

 

この日は曇り気味で明るかったせいか立体感が分かりませんでしたが,時間や天候がうまいこと合えば乳房雲は下のような写真に収めることも可能のようです(乳房雲 - Wikipediaより)。

夕日に照らされて浮かび上がる乳房雲

 

晴れて暑くなった日も多くありました。

 

今月は平年よりも気温が高い4月だったようですが,来月も全国的に高温傾向が継続するようですね。

さらに今年の夏も猛暑になる見通しが高いようで,昨年のようなサウナのような気候になるのかと今から少しゾッとします。まぁ寒いよりも暑い夏は好きなんですけどね。