Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強初心者のブログ

【気象学勉強】第82回 気象の予報のいろいろ②

 

前回の続きです。

今回は短期予報,中期予報,長期予報について見ていきます。

 

 

短期予報

短期予報とは3時間を超え向こう48時間以内の予報のことをいいます。私たちが日々ニュースやラジオで聞いている今日の天気や明日の天気はこの短期予報です。

短期予報の主な例としては,府県天気予報などがあります。

 

府県天気予報とは,名前の通り,主に都道府県単位の天気予報のことで,都道府県はさらに地域で細分化されて発表されます。

例えば長野県だったら,北部,中部,南部の3つの地域に分けて今日の天気,明日の天気(+明後日の天気)が発表されています。

今日・明日の天気予報は,その日の天気風向6時間ごと(00-06時, 06-12時, 12-18時, 18-24時)の降水確率気温(朝の最低気温と日中の最高気温*1)が表示されます。

これらの天気予報は地方気象台のHPの「天気予報」から飛ぶこともできます(長野地方気象台|トップページ (jma-net.go.jp))。

 

中期予報

予報を行う時点から2日先を超えて2週間以内の予報は中期予報といいます。府県週間天気予報が代表的な中期予報です。

 

府県週間天気予報は7日先までの天気を,都道府県単位で,1日ごとの天気・気温・降水確率・予報の信頼度・期間における降水量を毎日11時ごろと17時ごろの2回発表されます。

例えば長野県の週間天気であれば,上の表のような予報が発表されます。

3日後の天気予報からはAやBやCといった「信頼度」という表示がありますね。

信頼度はA,B,Cの3段階表示であり,内容な以下の通り。

  A:確度(=正確度)が高い予報

  B:確度がやや高い予報

  C:確度がやや低い予報

 

この信頼度をもとにすると,1週間という少し先の天気がどのくらいの正確度を以て発表されているのか分かるので参考にできるかもしれません(日々更新されるので,目的の日程の信頼度が,ある日はAだったものの,次の日にはBになっていることも起こり得ます)。

 

週間天気予報の他にも,2週間気温予報なども中期予報のひとつですが,ここでは詳細は省略します。

 

長期予報

最後は長期的な予報である長期予報

予報期間が1か月以上になるものに使われます。日々の天気の予報ではなく,予報期間の気温降水量日照時間などが発表されます。気温や降水量・日照時間もその具体的な値が算出されるワケではなく,平年値*2と比べてどうなっているかという大きな予報として発表されるのです。

この長期予報には,「1か月予報」「3か月予報」「暖候期予報」「寒候期予報」が代表的なものとして知られています。これらの予報は季節予報とも呼ばれます。

 

今回は1か月予報のみを見ていくことにします。

下が気象庁から発表される1か月予報です(気象庁|季節予報 (jma.go.jp))。

上の段には向こう1か月がどのようになるのかが文章で解説されています。それに加えて1週目・2週目・3週目の予報に細かく分けて解説されているのも分かりますね。

そして下段にはカラフルな棒グラフが並び,北日本・東日本・西日本に分けて平年と比較して気温・降水量・日照時間が高いか低いかが示されます。

棒グラフの色は,赤ければ平年に比べて高い(多い),黄色は平年並み,青ければ平年に比べて低い(少ない)ことを表します。また,棒グラフの領域の広さはその気候が出現する確率を表しており,上の図であれば向こう1か月の北日本の気温は,平年より高くなる確率が80%であるという意味です。

2023年の夏は過去126年で最も暑かった猛暑と報告されており,残暑も厳しく平年よりも暑くなる傾向が高いということですね。

 

 

はい。これでまずは天気予報の全体が大きくつかめました。

どのくらいの期間の予報で,どういった気象の要素を予測するのかが理解したところで,今後はどのようにしてこの天気を予測しているのかについて勉強していくことにします。

 

【まとめ】学習の要点

ということで,今回学習したところで重要そうなところをメモしておきます。

自分的メモ!
  • 「短期予報」とは,3時間を超え向こう48時間以内の予報のこと。府県天気予報などが代表的。
  • 府県天気予報は,その日の天気と風向,6時間ごとの降水確率,気温を予想し発表される。
  • 「中期予報」とは,予報を行う時点から2日先を超えて2週間以内の予報。代表的な中期予報に府県週間天気予報などがある。
  • 府県週間天気予報では,1日ごとの天気・気温・降水確率・予報の信頼度・期間における降水量を予想・発表している。
  • 「長期予報」とは予報期間が1か月以上になる予報。1か月予報など。
  • 1か月予報では,気温・降水量・日照時間などが平年と比べてどうなっているかという大きな予報が発表される。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。

*1:【気象学勉強】第45回 気温の測り方 - Weather Learning Diary (hatenablog.jp)の「最高気温・最低気温」を参照

*2:平年値とは,10年ごとに更新される過去30年の観測値の平均値のこと。2023年に対応する平年値は1991~2020年までの30年間の平均値。2030年までは平年値は1991~2020年の値が使用されるが,2031年になると更新され2001~2030年までの値が平年値に反映される