前々回,前回に引き続いて天気記号を理解していきます。今回は気温と気圧。こちらは覚えることも少ないのでサクッと行きましょう。
気温
まずは気温。こちらは天気図を見ていてもだいたいこの数字が気温っぽいなというのが分かります。
例えば下に示した天気記号を見てみます。
「16」という数字が書かれていますが,これが気温ですね。
天気記号では気温は現在天気の上(中層雲の左)に記載される数字を読めばよく,セルシウス温度(セ氏度)で表され単位は℃です。ちなみに,アメリカだけは天気記号の気温は華氏(単位は°F)が使われてるそうです。
気圧(気圧変化量)
気圧(の変化)は全雲量を示す円の右側に記載されます。
下の天気記号を見てみましょう。
「-20」という数字がありますがこれが気圧変化量を表しています。気圧変化量は3時間前からの変化値です。数字の前の符号は,3時間前より気圧が上昇した場合は+を,気圧が下降した場合は-を付与ます。さらに注意すべきことに,「-20」というのは「-20hPa」の変化ではなく「-2hPa」の変化です。1の位の数と小数第一位の数が2桁の数字で表現されるのですね。
ですので,仮に3時間前と比べて気圧が0.4hPa上昇したときには,「+04」と書かれるということです。
そして符号付の気圧変化量の数値の右には,気圧変化傾向を表す記号が描かれます。
気圧変化傾向の天気記号は下の9つ。こちらは非常に直感的で分かりやすい。
時間軸を右方向にとったときの気圧値のグラフがそのまま記号になっているのですね。
地上実況天気図を読む
さて,ここまで雲形・雲量・現在天気・過去天気,そして気温と気圧を勉強して,ようやく準備は整いました。これで天気記号を読むことができるはずです。
まずある日の名瀬における実況が下のように表されていました。
気温は22℃,6時間前の天気(過去天気)はしゅう雨性降水があり,現在天気は過去1時間内にしゅう雨があったものの現在はそのような大気現象は認められていないようです。雲量は7となっており天気は曇りですね(現在の天気については「しゅう雨があった」とも言えますし,「曇り」とも言えますので,どちらの表現を使っても問題ありません)。
下層雲は積雲で,下層雲の雲量は6ですから,全雲量に占める下層雲の割合が高いことも読み取れます。中層雲は高積雲で,上層雲はないようです。
気圧は3時間前から0.5hPa上昇していますが,その気圧の変化は下降後に上昇した経緯をとったことが分かります。
風については今回言及しませんでしたが,南南東の風が風速5ktで吹いています(風については下記事参照)。
もう一つ見ておきます。
下は八丈島におけるとある日の実況です。
気温は19℃,過去天気は雨,現在天気は過去1時間内で連続的に並の雨が降っているのが分かります。3時間前からの気圧変化量は0.1hPaの下降で,下降後に一定となる経緯をとりました。風向は東南東で,風速は20ktの風が吹いています。
雲量の記号が三角形に円が入ったもの は(無人観測所での)自動観測を表しており,雲量や雲形は観測していません。
こういった記号が理解できると,また一段天気図を見るのが楽しくなってきますね。
- 天気記号では気温は現在天気の上(中層雲の左)に記載され,セルシウス温度(セ氏度)で表され単位は「℃」。
- 気圧変化量は全雲量を示す円の右側に記載される。気圧変化量は3時間前からの変化値を表す。
- 1の位の数と小数第一位の数が2桁の数字で表現され,3時間前より気圧が上昇した場合は+,気圧が下降した場合は-が数値の前につく。
参考図書・参考URL
下記のサイトを参考にしました。