Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強初心者のブログ

【天気図】秋雨前線とトランスバースライン

 

これからは日々天気図を眺めながら,実用的な気象の勉強についても行おうと決めました。

いまだに天気図をどう見ればいいのか分かりませんが,いろんな教科書や資料やニュースなどをもとに自分なりに勉強・考察していけたらいいなと思います。

 

 

秋雨前線

こちらは2023年9月15日9時の日本周辺の地上天気図です。

日本列島を横断するように東西に伸びる停滞前線が見られますね。

これが秋雨前線です。

毎年こんなふうに前線が伸びる天気図になってるんでしたっけ?天気図をマジマジと観察することがないので,秋雨前線がこんなにはっきりした形で現れることに少しばかり感動を覚えるのでした。

 

 

トランスバースライン

2023年9月14日,阪神が18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たして大きな話題となりました。

その時,日本の上空にはもう一つの「トラ」が出現したと一部のマスコミは報じました。 

 

それがトランスバースライン

トランスバースラインとはジェット気流など上空に強い風が吹いているところに沿って現れる雲のことで,風と垂直な方向に並んで発生して縞模様をつくりだします。

阪神優勝にちなんで,「虎」ンスバースラインが(虎のような)縞模様をしている気象現象ということで記事として取り上げられていたんですね。

 

下は2023年9月15日15時の赤外画像ですが,たしかに東西に伸びる雲の北側には毛羽だった縞々の雲が見てとれます。

下で示した紫色のところが分かりやすいでしょうか。ちょうど雲の北縁を沿うように大気上層にジェット気流が流れているようです。

トランスバースラインは風の鉛直シアが大きく乱気流が起こりやすいことが知られており,この縞模様は雲によって乱気流のある場所が視覚化された分かりやすい例のようです。乱気流によって航空機関に大きな影響を及ぼすことも知られていますが,雲がないところでも乱気流は起こり得るため(晴天乱気流もしくはCATClear-Air Turbulence),航空機関で働く方たちは風の鉛直シアが大きいところを見つけて乱気流を回避しているそうです。

 

ちなみにそのときの300hPa高層天気図を見てみると,だいたい下の水色の矢印のところに強い風が吹いているところがあって,この辺がジェット気流に対応しているものと私は推測しました。


赤外画像とも概ね一致しているような結果ですね。

こんな風に,複数の画像や天気図を組み合わせて結果が一致するのはパズルを解くような推理をしていくような楽しい心持ちを味わえるのです。

 

季節の移り変わり

この9月という時期は,暑かった夏から涼しい秋への移り変わりの季節でもあります。2023年9月初頭は暑さが厳しかったものの,9月末になると朝は少しひんやりすることも多くなってきました。

 

そこで850hPaの気温を地図上に表示して,この9月の変化を追ってみました(数値予報データ — Pythonによる気象データサイエンス (kyoto-u.ac.jp)を参考)。

月初めは赤い色が目立っていた(気温が高かった)ものが,日を経るごとに徐々に北の青い色(気温が低い)が南下している様子が見て取れますね。
こうやって時間を追っていくことで,1日ごとの天気図では把握できない全体像が見て取れるのも面白いものです。

 

とりあえず,天気図を動かしたりして,最近はもう少し身近な天気図を相手に勉強を始めている次第です。

 

天気図理解のメモ
  • トランスバースラインとはジェット気流など上空に強い風が吹いているところに沿って現れる雲のことで,風と垂直な方向に並んで発生して縞模様をつくる。
  • トランスバースラインが発生する場所では風の鉛直シア(ここでは風速の差)が大きく乱気流が起こりやすい。
  • トランスバースライン付近では,雲のような視覚的な特徴を伴わない乱気流(晴天乱気流)が起こるおそれがあり,航空機の航行には危険な存在であり注意を払う必要がある。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。