Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強初心者のブログ

【気象学勉強】第3回 地球の大気の層構造

さて,今回は3回目。

前回は気圧とは何かについておベンキョーしました。

今回は地球の大気の層構造について見ていきましょう。

 

 

大気圏と宇宙の境界

そもそも地球の大気ってどこまでの高さを指すんでしょうか?宇宙空間との明確な境界は存在するのでしょうか?

 

国際航空連盟という組織によると,地上からの高度100kmからを「宇宙」と定義しているようです(カーマン・ライン)。よってこの定義に従うと,地上100kmまでが大気圏,100km以上が宇宙ということになります。

地球の半径はおよそ6400km程度なので,それと比較するとだいぶ短いですね。

日本国内で考えると東京中心部から伊豆半島の付け根にある沼津市あたりまでがおよそ100km。

地球の大きさからすると宇宙までほんの薄皮くらいの厚さの層があるだけで,意外と宇宙はすぐそこだと理解できます。ちなみに宇宙までスペースシャトルで8分30秒で着いちゃうそうです。

ただし,大気圏と宇宙の境界は非常に曖昧で,高度80kmだとか大気がなくなる高度10000kmだとか共通したコンセンサスがないのが実際のようです。

 

そしてもちろん宇宙と地球の大気の間には膜のような構造物は一切ありません。

それだと地球の空気が宇宙に流れていきそうな気がしますが,地球からの重力があるため,空気の分子が地球の重力を振りほどくことができず地球上空に留まり続けるのです。

正確には,地球から水素やヘリウムなどの軽い気体が年間10万トンほど宇宙空間へと逃げているそうで,ただ地球全体の空気の重量から考えてもほんの微々たるものなので問題ありません。

 

地球大気の鉛直方向の層構造

ここからは地球大気の鉛直構造を詳しく見ていきましょう。

地球の大気は大きく分けて地上側から対流圏成層圏中間圏熱圏の4つに分かれます。熱圏より外に外気圏を設定する場合もあります。

 

まずは最も地表側の対流圏。地上から平均11km上空までの,私たちの暮らしに接している大気層です。世界一高いエベレストの頂上もまだまだ対流圏内。

雲ができたり,雨を降らしたりと天気の変化のほとんどがこの対流圏で起こります。

厚さは緯度によって大きく異なり,北極や南極など高緯度の寒い地方では上空6kmまでと薄く,赤道などの低緯度地方では上空16kmと厚くなります。これは空気が暖かいと膨張し,冷やされると収縮するためです。

他の大気層とは異なり,対流圏は水蒸気を多く含むことが特徴。また,この対流圏だけで地球大気の重さの約80%が存在していると言われています。

 

 

高度約11kmにある対流圏と成層圏の境界は対流圏界面と呼ばれます。国際線などの長距離飛行機が飛行する高度は10000~12000メートル程度なのでちょうどこの辺りになりますね。

この高度を飛行機が飛ぶのは,空気が薄いため空気抵抗が少なく低いコストで必要なスピードを維持できるかららしいですよ。

 

 

そして地上約11kmから約50kmまでは成層圏。とにかく安定な大気層です。

この成層圏で地球大気の重さの15%ほどが存在していると言われています。成層圏下部の気圧はおよそ200hPaで,地表のおよそ1/5です。

この成層圏で最も特徴的なのが,高度25kmほど上空にオゾン密度の高いオゾン層を有すること。太陽からの日射量が多い赤道付近で,空気中の酸素がオゾンに変化することで大量に生成されます。

1970年代にはフロンガスなどの化学物質がオゾン層を破壊していることが指摘され,オゾン層が薄くなった結果太陽からの有害な紫外線が増えることによって皮膚ガンなどのリスクが増加することが懸念されています。

 

そして,約50kmの高度には成層圏と中間圏の境界となる成層圏界面が存在します。

 

 

さらに成層圏界面の上の地上約50kmから80kmの間には中間圏があります。

地上からこの中間圏までの範囲は大気成分組成はほぼ一定であり,窒素と酸素がほぼ80% : 20% の割合で含まれています。ただこの高度になると気圧は地上のおよそ1万分の1程度まで希薄になります。

 

 

そして地上約80kmの中間圏界面を抜けると,高度500kmまでの熱圏に。この熱圏だけえらく層が厚いですね。

ここでは太陽光線を吸収して大気の一部が電離している状態にあります。

宇宙で加速された電子などが大気の分子とぶつかって起こるオーロラはこの熱圏で見られる現象です。

 

 

とりあえず今回はここまで。

次回はオゾン層について深く勉強するのと,大気の温度について述べたいと思います。

 

こちらの動画が非常に笑えますし今回の勉強のおさらいにもなりますので是非復習がてら御覧になってみてください。


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【まとめ】学習の要点

今回学習したところで重要そうなところをメモしておきます。

自分的メモ!
  • 地球の大気は「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」の4つに分けられる。
  • 日常の気象現象のほとんどは対流圏での出来事。
  • 対流圏の厚さは緯度によって異なる。
  • 成層圏は安定でオゾン層がある。
  • 中間圏までは空気の組成が一定。
  • 熱圏では大気分子の電離が見られオーロラなどが起こる。

 

参考図書・参考URL

下記のサイトから画像などを一部お借りいたしました。