Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強中の社会人ブログ

2023年4月の空の観察

 

変わりやすい春の天気

4月になりすっかり春めいてきて,たまに暑いくらいの日が続くことも多くなりました。

春といえば花粉が飛び黄砂が飛ぶなど人間に災いをもたらすこともありますが,暖かくなってきたことで鮮やかな新緑が芽吹き生命力を感じることができる季節でもあります。

 

さて,4月の空の撮影。

春の天気は変わりやすいと良く言われますが,この4月も晴れては雨,雨から晴れとコロコロと天気が変わっていくことを目の当たりにしたのでした。

下の写真のようにこの日は雨が降り,空には乱層雲がかかっていました。

と思ったら次の日になると晴れています。

そしてそれも束の間,また雨。雷も聞こえてきました。

そしてまた雨が降ったことをも忘れているような晴れた空。青空を横切る飛行機雲がとても美しいですね。

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この日の夕方には高積雲がキレイに見えました。

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地上天気図を眺めてみると次から次へと高気圧と低気圧が入れ替わり立ち替わりやってきているのが確認できます。

 

春の天気が変わりやすいのは移動性高気圧と低気圧が交互に日本付近を通過するからなんですね。

天気図と実際に観測される天気がちゃんと対応関係があるのが分かると面白いですね。

気象を理解するのは非常に難しいんでしょうけど,大きな目で見ると概ね天気が予測できるということに感動を覚えるのでした。

 

黄砂の飛来

2023年4月12日~14日にかけて中国大陸から大規模な黄砂が飛来し日本各地で確認されました。

黄砂は主に中国大陸にあるゴビ砂漠タクラマカン砂漠などの砂漠から飛来する砂が原因となって引き起こされる気象現象です。

風によって数千メートルの高度まで舞い上がった砂が偏西風に乗って日本や太平洋などの遠方に運ばれて落下してくるんですね。

 

下は12日の気象衛星ひまわりの画像をキャプチャしたものです。たしかに茶色いモヤモヤが日本海上に確認できますね。すごい。

13日には日本列島を横切って太平洋へと抜けていました。

しかし,ただの砂と侮るなかれ。黄砂の危険性も指摘されています。

黄砂は空気中の粒子と混ざることで,毒性の高いニトロ化合物などの物質へと変化することが知られており,中国大陸から来る単なる小さい砂だと思っていたら大間違いのようです。

 

黄砂の危険性を理解しつつ,気象衛星に写り込むほどの規模感に改めて驚いた次第です。

 

視程

この黄砂のニュースを見ていると『視程』という言葉が出てきました。

www.tokyo-np.co.jp

ここでちょっとお勉強も兼ねて「視程」について調べてみました。

視程とは,観測地点から水平方向に周囲を見回したときに,最も見通しが悪い方角において見通せる距離最短視程のことを指します。

観測では,あらかじめ目標となる建物などの距離を測っておき,その目標を肉眼で識別できるかどうかで判断するそうです。

視程階級というものが定められており,その目安は以下の表のとおり。

視程階級

目標物を確認できる最大距離

0

50m未満

1

50m以上200m未満

2

200m以上500m未満

3

500m以上1km未満

4

1km以上2km未満

5

2km以上4km未満

6

4km以上10km未満

7

10km以上20km未満

8

20km以上50km未満

9

50km以上

東京で最も多く観測される視程は,約20km~30kmのようです。

黄砂による影響で,視程が悪く1km以下未満のとき,あるいは黄砂が全天を覆って雲が確認できないときなどは,天気は煙霧に分類されるようです*1

 

余談ですが,私が人生で最も視程が悪いと感じた都市は7年ほど前に訪れたPM2.5微小粒子状物質)が飛び交う中国です。周囲が真っ白でおそらく視程は数キロ程度だったのではないかと思います。

なかなか真っ白ですね。科学技術において発展を遂げている中国の現在は果たしてどうなっているんでしょうか?

いずれ機会があればこの写真と比較してみたいと思っています。

 

参考URL

下記のサイトを参考にしました。

*1:煙霧とは微粒子が大気中に浮遊している現象のことを言う