Weather Learning Diary

日常的な気象予測や天気図理解ができるようになりたい気象勉強初心者のブログ

一般知識

【気象学勉強】第56回 日本の四季と気圧配置③〜冬〜

前回は夏の高気圧・低気圧について説明しました。今回は冬です。 西高東低の冬型の気圧配置 山雪型と里雪型 JPCZ 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 西高東低の冬型の気圧配置 冬の天気予報で「西高東低の冬型の気圧配置」という言葉をよく耳にします…

【気象学勉強】第55回 日本の四季と気圧配置②〜夏〜

今回からは日本の季節による気圧配置について見ていくことにします。 今回は夏。 夏型の気圧配置 太平洋高気圧と台風 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 夏型の気圧配置 気圧配置とは,地球上の高気圧や低気圧の位置関係のことを指します。もちろん日…

【気象学勉強】第54回 日本の四季と気圧配置①〜4つの高気圧〜

ここまで大気の循環や偏西風について見てきました。 ここからは日本の季節と気圧配置について勉強しておきたいと思います。 今回は日本の季節に大きく影響する4つの高気圧(+α)についてです。 日本の季節に影響を与える4つの高気圧 ①太平洋高気圧(夏) …

【気象学勉強】第53回 偏西風波動とジェット気流

前回偏西風について勉強しました。偏西風が日本の気象に大きく影響するんでしたね。 私はこれまで,偏西風と言えば飛行機が早く目的地に到着するために利用する大気上層にある西風のイメージが強かったため,天気と絡めて考えることが無く非常に勉強になりま…

【気象学勉強】第52回 地球大気の大循環④~フェレル循環と偏西風~

さて,この辺りから非常に重要と思われるポイントがいくつも出てきます。中緯度地域(緯度30度~60度)の循環であるフェレル循環に,この地域で発生する偏西風や温帯低気圧など。 なぜこれらが重要なのか?それは日本という国がこの中緯度地域に位置するから…

【気象学勉強】第51回 地球大気の大循環③~極循環~

前回までで,赤道付近の大気の循環であるハドレー循環と貿易風について勉強しました。 今回は北極や南極側の循環,極循環について見ていきます。 極循環 亜寒帯低圧帯 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 極循環 ハドレー循環では,赤道付近で温められ…

【気象学勉強】第50回 地球大気の大循環②~貿易風~

世の中はGWですが,私は今年はゆっくりと家で過ごしながら,仕事であまり時間を作れなかった気象の勉強に充てていきたいと思います。 今回は,前回少し触れました貿易風について簡単に説明しておきます。 航海と貿易風 貿易風の風向き 【まとめ】学習の要点 …

【気象学勉強】第49回 地球大気の大循環①~ハドレー循環~

これまで風について見てきました。地衡風や旋衡風などいろいろな風の種類があるのでした。 今回はもっとスケールを大きく,地球規模の視点から大気の流れを理解していきます。ここは勉強していて個人的に非常に面白いところです,ハイ。 世界の気候 地球の熱…

【気象学勉強】第43回 渦度③〜計算〜

今回は渦度の最後です。実践的に問題を解きながら,その計算方法を学んで(覚えて)いくことにします(渦度の単位を と記載していましたが,正式には なので修正しました。試験では正式な方で答えてください)。 渦度の復習 渦度の問題 【まとめ】学習の要点…

【気象学勉強】第42回 渦度②~絶対渦度~

角速度 惑星渦度 絶対渦度と絶対渦度保存則 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 角速度 以前コリオリの力について勉強したとき,北緯 (ファイと読む)の地点において速度 で運動する物体の単位質量あたりに働くコリオリ力 は と表せ, をコリオリパラ…

【気象学勉強】第41回 渦度①~相対渦度~

4月になりました。今月は風について残っている箇所と,大規模な大気の循環について勉強していく予定です。 まずは風について残っているところから。今回から渦度について3回に分けて説明していく予定です。 渦度とは 渦度の計算 渦度のあるベクトル場 【ま…

【気象学勉強】第40回 発散・収束②

前回に引き続き今回も発散・収束について。前回いろいろ書ききれない点もありましたので,実際に問題を解きながら内容を補完しながら説明したいと思います。 前回の復習 発散・収束の問題 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 前回の復習 問題を解く前に…

【気象学勉強】第39回 発散・収束①

今回は発散・収束について。少し難しそうですがじっくりとゆっくりと2回に分けて考えていきたいと思います。 発散・収束 風のベクトル場 発散の式とその意味 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 発散・収束 以前,地上風について勉強した回で,高気圧…

【気象学勉強】第38回 大気境界層と自由大気

地球大気の層の構造 大気境界層の役割と乱流・乱渦 大気境界層の分類 自由大気 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 地球大気の層の構造 地球の大気は地表に近いほうから,対流圏(~高度約11km)・成層圏(高度約11~50km)・中間圏(高度約50~80km)…

【気象学勉強】第36回 地上風

地衡風・傾度風はいずれも平均して上空1km以上の高層で吹く風でした。 今回は地上付近の摩擦の影響を受ける上空1kmまでの地上風について説明します。 地上風 地上風の力学バランス 地上風がもたらす天気 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 地上風 下の…

【気象学勉強】第35回 旋衡風

前回,前々回と地衡風・傾度風を紹介しましたが,今回は旋衡風について見ていきます。 旋衡風とはコリオリの力の影響が無視できるほどに小さいとき,すなわちそのスケールが十分に小さいときに見られる現象に適用されます。 例えば竜巻やつむじ風(塵旋風)…

【気象学勉強】第34回 傾度風

遠心力 傾度風の力の釣り合い 傾度風の速度の算出 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 前回は地衡風について学びました。地衡風は等高度線/等圧線が直線的に分布するときに,それに沿って吹く高層の風のことでした。 しかし等高度線や等圧線は概ね直線…

【気象学勉強】第33回 地衡風

本日から具体的な風について勉強していきます。新しいことを知るのってワクワクしますね。 地衡風とは 地衡風が吹く理由 地衡風の式 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 地衡風とは 下の天気図はとある日の500hPa高層天気図です。 ここで風向を注意深く…

【気象学勉強】第32回 コリオリの力

慣性力 コリオリの力 コリオリ力を表す式 コリオリ力の働く向き 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 慣性力 フーコーの振り子というものがあります。 下の動画のように一見すると普通の振り子にしか見えませんが,数時間レベルで観察していると徐々に振…

【気象学勉強】第25回 雨が降るまで

今回は雲の中にいる雲粒,そして大きく成長した雨粒の振る舞いについて見ていきます。 雨粒の形 物体に働く空気抵抗 雲粒の終端速度 雨粒の終端速度 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL 雨粒の形 雨の形をしずく型で描くことが多いですが,実際には落下…

【気象学勉強】第24回 雲粒・雨粒の成長~冷たい雨

雪のひとひらがダウンジャケットの上に舞ってその形を詳しく観察してみると,肉眼でも六角形であることが分かります。初めて肉眼で雪の結晶を見たときの感動はいまでも忘れられないのです。 冷たい雨 過冷却 氷晶核 昇華凝結過程と凝集過程 雪の結晶 ライミ…

【気象学勉強】第23回 雲粒・雨粒の成長~暖かい雨

ここまでは空気が上昇すると断熱冷却が起こって気温は低下し,その結果ある高度で飽和して雲をつくることを学びました。エマグラムを用いると雲底高度や雲頂高度を明らかにできるのでしたね。 今回は雲の中で起こっていることについて勉強していきます。 雲…

【気象学勉強】第22回 エマグラム②〜解析方法

前回からの続きです。 エマグラムを用いるとどのようなことが分かるか,どのように解析すれば良いのかを勉強していきます。 持ち上げ凝結高度(LCL)~雲ができる高度~ 自由対流高度(LFC)~空気が勝手に上昇する高度~ 平衡高度(EL)~雲頂高度~ 対流抑…

【気象学勉強】第21回 エマグラム①〜エマグラムの見方

エマグラム(EMAGRAM) 乾燥断熱線 湿潤断熱線 等飽和混合比線 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL エマグラム(EMAGRAM) まずは前回の復習も兼ねて,エマグラムについて説明します。 エマグラムとは,Energy per unit mass diagram(直訳すると「単位…

【気象学勉強】第20回 逆転層

エマグラム 逆転層の種類 接地逆転層 沈降性逆転層 前線性(移流性)逆転層 【まとめ】学習の要点 参考図書・参考URL エマグラム 下のグラフはエマグラムと呼ばれるものです。ワイオミング大学のサイト(http://weather.uwyo.edu/upperair/sounding.html)か…

【気象学勉強】第19回 温位と相当温位

前回は乾燥断熱変化,湿潤断熱変化について説明し,その変化によって大気の安定性も求まるのでした。 そして今回は「温位」と「相当温位」についてです。普通に生活していたら聞き慣れない言葉ですし,なんだか難しそうですがじっくりと勉強していくことにし…

【気象学勉強】第18回 乾燥断熱変化・湿潤断熱変化と大気の安定度

これまでの復習となりますが,空気塊が上昇すると断熱膨張を起こして外に仕事をし,熱力学第一法則から内部エネルギーが消費され空気塊の気温は下降するのでした(断熱冷却)。 気温が下がって水蒸気をこれ以上含むことができない飽和水蒸気量に達すると,空…

【気象学勉強】第17回 熱力学基礎~静力学平衡と気圧の海面更正

今回は大気の鉛直方向の力の釣り合いについて勉強します。質量がある空気が上空から落ちてくることがないのは上下の圧力の差が釣り合っているからです。 静力学平衡 静力学平衡の式を用いた計算 気圧の海面更正 ジオポテンシャル高度 【まとめ】学習の要点 …

【気象学勉強】第16回 熱力学基礎〜熱力学第一法則と断熱変化

前回までは気体の状態方程式について話をしてきました。 空気の状態を知るには圧力・密度・温度の要素を理解する必要があり,これらの情報を結びつけるのが状態方程式で気象を勉強する上で非常に重要な式であることは前回述べています。 気圧が一定なら体積…

【気象学勉強】第15回 熱力学基礎~気体の状態方程式②

前回は理想気体の状態方程式について学びました。 ・・・① (:圧力,:体積, :質量,:気体固有の気体定数, :絶対温度) この式が大気の状態を理解する上で大変重要ということでしたが,どのようにして活用すれば良いのでしょうか。 少し詳しく見ていく…